アイドルオタクがアイドルオタクを辞めるまで 一ブログ
ブログ
アイドルに限らず、日常の出来事や画像を更新してくれる芸能人は多い。
推しへの親近感を上げてくれる、とてもありがたい文化だ。
推しは非常に丁寧な文章を書く人だった。
読んだ人に誤解を与えないように、
一つ一つ何度も読み直してあげているのがよくわかった。
私は推しの書く文章がとても好きだった。
その文書には、
推しの繊細さと、臆病さ、自嘲、そして推しの自由奔放さが表れていたから。
推しは結局、やりたいことをやる人だった。
それは私にとって非常に魅力的だった。
推しが卒業を決めた事を発表した日のブログの文章は、
辞める理由、オタクへの謝罪が書かれていた。
私はその理由にとても納得したし、
オタクへの謝罪の言葉に、これまで推してきてよかったとさえ思った。
私がお金を出して買っていたのは、
推しの人生ではなく、あの一瞬の時間だったのだから。
本心も含まれるが、強がりもあるので、結局は建前だろう。
何度も読み直しては、
切なさで苦しくなり、
でも納得せざる得ないのだ。
どうしようもないことを嫌だと駄々をこねられるほど、子供であればよかったのだろう、きっと。
決断は下されたのだ。
推しも、同担も駅に来た別の電車に乗り、別の目的地に向かって、すでに走り出している。
私はただプラットホームに取り残されている。
ホームに張られた、ライブのポスターを今はまだ、切なさと共に眺めていたい。