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「ちっ!気付いてやがったか!」


 1人の男がそう言うとシースさんが楽しそうに笑った。


「ほっほ!面白いですな?ライル殿、三対四数としてはコチラが不利とは」


 正直俺も楽しんでいた事は内緒にしておこう……後で怒られそうだしな。そんな俺達を見て彼等は驚いていた。


(まぁ、驚くのも無理ないよな)


 そんな事を考えつつ俺は彼らに言った。


「さてと、別にアンタ達と戦う必要は無いから退いてくれないか?俺達はアンタ達と戦うつもりは無いからな」


 俺がそう尋ねると、大柄な男達はニヤニヤと笑っていた。


「はっ!お前みたいな小僧が俺達に勝てるとでも思っているのか?」

(あー、まぁそうだよな……獣人って奴は好戦的な奴が多いのは聞いていたけど)


 だがここで戦いになればエリナやシースさんを危険に晒す事になる。それだけは絶対に避けなければならないので俺は我慢しながら話し掛けた。


「アンタ等が退く気がないなら仕方ないか……」


 そう言って俺は剣を抜いた。それを見た男達は一瞬身構えたが、即座に俺を馬鹿にしたような顔で笑った。


「おいおい!そんな骨の剣で俺達が斬れると思っているのか?ガハハハッ!!」


 男達は楽しそうに笑っていた。


(まぁ、そう思われても仕方ないよな)


 この剣では殺傷能力なんて皆無だしな……

 そう思いながらも、彼等の特徴を得る為観察をしながら様子を見る。

 主に話している2人は筋骨隆々な体躯と毛深さから猿人に属する種族だと把握出来る。残りの2人も背丈は高いが片方は紋様の様な毛の生え方から草食系だとわかる。

 特に紋章は牛の様なものが左胸辺りに見えていたので多分、草食系の種族だろう。

 そんな男達を見てエリナは憤りを感じていたが、シースさんは楽しそうに笑っているだけだった。


(こういう人達も居るんだな……)


 そう思いつつも俺は右手に魔力を集め始めると、2人は俺の行動に警戒していた。


「……このまま争うのは得策ではない。お前が三人の中で一番強い者と考えて良いか?」


 突如としてもう一人が語りかけてきた。

 話の分かる人物なのだろう。前に出た2人が大人しく後ろに下った所を見るにリーダーなのかもしれない。


「まずは名乗ろう……俺達は森の民、狐人族と呼ばれる者だ。名をカヨウと言う」


 彼の口調は物静かで紳士的な話し方だった。


(冷静な口調だが油断は許されないな)


 俺がそんな事を考えていると、もう一人が話しかけてきた。


「貴方はいったい何者ですか?見る限り普通の人族ではなさそうですね?」


 その問いに対して俺は答えた。


「そうだな……特殊なスキルを得た人族と言った所だ」

(正直に全て言う必要はないな……)


 俺の言葉に彼等は少し驚いていたが少し警戒をしている様子だった。

 そんな状況でシースさんが……彼は笑いながら、彼等に話し掛けた。


「すまんな!実はワシ等は商人でな……物資を買いに来たんだが嵐に襲われてしもうてなぁ?」

(はぁー、さすがに無理があるだろ?)


 そんな俺の思いも知らずにシースさんは話を続けた。


「そこで一つ提案なんだがのぉ……船の整備に使える物を取引してはくれんか?」

 彼の言葉にカヨウさんは驚いていた。


「そのような理由では俺達が納得しないとわかっているでしょうに、何をお考えですか?貴方は……」

(凄いな……この人)


 俺は素直にそう思った。取引というのを口実にこの者達の情報を得ようとしているのだと……そんな風に考えていると彼は諦めた様に笑った。


「はっはっは!コレは参りましたな」


 彼の様子から察すると彼等の中ではシースさんが1番怪しいのだろうな……そんな事を考えていると、カヨウさんが話しかけてきた。


「私達はある御方にお仕えしています。故に命令を遂行しなければなりません」


 彼の言葉にシースさんは少し悩んだ後、彼等にある提案をした。


「ワシ等がそちらの元に向かうから、お前さん達の主人とやらに合わせてはくれんか?上手く行けば取引をしてもらえるかもしれんからのぉ?」

(え?!何勝手に決めてるんだ!この人!?)


 そんな俺の思いとは裏腹に話は進んでいった。


「……分かりました。付いてきてください。……敵意がないことは理解しましたので」


 彼はそう言うと歩き出したので俺は慌てて後を追った。


(コイツらの目的は何なんだ?)


 そんな事を考えながらカヨウさん達の後に付いて行った。

 森を歩く事、約1時間……特にこれといった問題もなく俺達はとある施設に辿り着いた。


「此処がご主人様が居る屋敷になります」


 その言葉を聞いたシースさんはニヤッと笑い彼に話し掛けた。


「なるほどのぉ……お前さん達みたいな猛者が仕えておる御方か……」


 そんなシースさんの言葉に対して、カヨウさんは無表情のまま俺達に話しかけてきた。


「もし少しでも妙な真似をようならば、容赦はしないのでそのつもりで」


 その言葉を聞いた後、シースさんは俺を見た。

 エリナと俺は互いに頷くとカヨウさんが歩みを止めた。


「さて、ここを守る門番に貴方がたの事を話してきますから少々お待ちいただけますか?」


 そんな彼の言葉に対して俺は素直に頷いた。すると彼は屋敷の入口へ歩いて行った。そして数分後……彼が戻ってくると俺達に向かって話し始めた。


「良いとの事です。行きましょう」


 カヨウさんはそう言うと、屋敷へ俺達を案内した。

 建物の中に入ると数人の狐人族が居たが皆、眼光鋭く俺達を観察していた。


(何か警戒されているな……)


 そんな事を考えつつ俺達は一室に案内されたのだがそこは広間と呼ぶには広くなく狭いと感じる部屋でしかない部屋だった。そんな部屋の中央で胡座をかいて座っている者が居たので彼がカヨウさんの主人なのだろう。彼は笑いながら話し掛けてきた。


「ふむ、中々面白い迷い人のようだな? 儂はここの村長をしているシオウという」


 彼の言葉にシースさんは笑っている。

 どうやら俺から自己紹介をする事なるらしい極力刺激しないように言葉を紡いだ。


「私はライル・プルートと申します。シオウ様は気軽にライルと呼ん下さい。此方の2人は女性がエリナ、もう一人はシースと申します」


 俺の言葉を聞いたシオウという狐人族は目を丸くして驚いていたがすぐにシオウ笑顔になった。


「はっはっは!何やら面白い男だな!わかった、儂の事はシオウと呼んでくれ!」


 コレがこの島に来て最初の住人との邂逅であった。

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