15日目
15日目
城から逃げ出して5日目、俺はなんとか生きてる。
というかそこまで苦労はせずに逃げれているのが実情だ。おそらく国王もこんな低スペ野郎を追う気はさらさらないらしく追手は全くと言っていいほど来なかった。
あとリュージからパクった100ゴールドしか持っていないように感じたかもしれないけど逃げる前にいろいろ買い物したいからお小遣いまとめてくれとその辺にいた騎士を通して聞いたら気前よく50万ゴールドくれた。
どうやら低スペ野郎の対応は困るから逆に50万ゴールドで逃げてどっか行ってくれた方が国としても良いらしい。王都の門番も「どうぞどうぞ」みたいな感じだ。
そんなこんなで旅の軍資金も得た俺は城の近くから馬車に乗り込みこの5日間ひたすら遠くへ向かった。
ちなみに1ゴールドはほぼ1円と同じ価値、物価はこちらの世界の方が安く、50万(とんで100)ゴールドあれば半年は余裕で暮らせる。あとこちらの世界の言葉はうまく変換して伝わるようで会話には困らないが文字は勉強が必要。ここらへんは都合良すぎるくらいのご都合主義だった。
また召喚されたこの国の名前はセントラル国と言うらしい。
5日目にしてようやく馬車は目的地に到着した。
セントラル国の端にある港町
スメルベイという街だった。
ここにきた目的は港から別の国に逃げるためだ、だけど別の国に行くにも情報がないとどこに行けばよいのかわからないし、いきなり他の国に行けるかはわからない。
追手がくることは無さそうなのでこの街でしばらくすごしていこう。
またゴールドを稼ぐ手段も考えないといけない。クラスメイトを見下す前にまずは生活だ。
「あんちゃん着いたよ!」
「ありがとうございます!フィリオさん!この5日間お世話になりました!」
「礼儀正しくありがとな!また会う機会があれば是非乗って行ってくれ!」
ここまで送ってくれた馬車御者のフィリオさん-32才独身、趣味:酒場巡り、好みのタイプ:活発な子で胸は大きめ-と別れの挨拶を済まし街の中に降り立った。5日間はとにかくいろんな街の情報を教えてもらった。スメルベイでおすすめの料理は麺とその日採れた魚を豪快に炒める食事処タージーの日替わり麺定食(200ゴールドくらいらしい)との事。ここは要チェックや。
ただとりあえずは今日泊まるところを探さないとな。
宿をいろいろまわり受付に値段等確認したところ猫のカバン亭という宿が金額は平均より上(1泊6000ゴールド)だが、セキュリティ関係もしっかりしていて、何より宿に風呂もあるのが魅力的だったのでそこに決めた。
今日は早々に飯を食べて寝て明日から行動開始しよう。
行動指針を決めないとな。
アリト:元高スペックモブ野郎
素質:剣士
体力:10
魔力:0
攻撃力:5
防御力:5
素早さ:5
スキル
上段斬り
所持ゴールド:490,900G