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初恋のもだもだ  作者: 歩道
4/12

トートバッグとウザいメモーside S

薄暗くなってきた工場地帯を私は走る。


信じられない信じられない!嘘みたい!


恥ずかしすぎてダッシュで逃げてきちゃって、もう苦しくて走れないって所でゆっくり歩き出す。ジャージの入ったサブバックを抱きしめて、息を整えながら歩いた。


聞き間違いじゃないよね??

俺でよければ。って!

okって事だよね?

え!?待って待って!


周りを軽く確認して人が居ないのを確認してから

サブバックを上に投げて「やったー!」って叫んだ。


ニヤニヤするのが止まらない。

ふわふわした頭で足取り軽く帰宅する。


あ!山ちゃんに報告しなきゃだ…!

塾終わったら通話しよ!


山ちゃんは同じ部活の私の親友だ。

私と山ちゃんは2人とも、自分とは違う他クラスに好きな男子がいて、しかもその男子は両方ともバスケ部だった。

「お知り合いになるキッカケなどなく、見つめ続けるしかないねっとりとした切ない乙女心」を持っていた元仲間である。

なぜ「元」かと言うと、山ちゃんは今では爽やかに男女交際する彼氏持ちにランクアップしているからだ。

なんて妬ましい…。


いや?もしかして…妬ましくないのでは?

もはや!私も…!


浮かれながら帰宅して、スマホで山ちゃんに「重大報告!後で通話しよ!」とメッセージを送ってから、菓子パンとグミとチョコを持って塾にいく。


塾に着くと、幼馴染の慎太郎が「何だお前ニヤニヤして機嫌いいな。そのグミ俺にもくれ」と物乞いをしてきた。

「今日の私はことのほか気分が良いのだよぅ?哀れで孤独な慎太郎には、このグミを袋ごとあげようじゃないか!」

と開けたばかりのグミを慎太郎に贈呈した。


「すげぇ言い様だな。何?グミ全部いいの?サンキュー」

と言ってグミを食べながら、何?何?いい事あったん?と聞いてくる。

まぁねぇ〜と音符の飛びそうな軽やかさで返事をしたら、慎太郎が突然確信をついてきた。


「おぉ?もしや?宇知山?何?なんかあったの?お前、うっちー好きだろ?」と、フヒヒみたいな笑い声を上げて小声で聞いてきた。


一気に顔がボンっと熱くなる。

何で知ってんの…!?こいつ…!


問い詰めたら、「俺の洞察力を舐めんなよ。密かに応援してたぞ?」と言っていたので口外を禁じたら

「まかせろ。俺の口はトートバッグの様にしっかり閉じている」

と言っていたので、開きっぱなしの口を閉じるのに、グミの他にチョコも賄賂に与えておいた。

慎太郎は、誰にも言わねーよ。と笑っていた。

けど、勘のいい奴は気づいてると思うぞ?前に聞かれた事あって、はぐらかしてからペラペラとばら撒かねぇ様に様に、軽く釘は刺しといたけどよ。と忠告してくれた。


そんな幼馴染に感謝して少し見直したが、塾の間は後ろの席に座ってきて、ウチヤマくぅん?フゥーワッ!とかボソボソ言ってきたり、メモを回してきて開いて見ると「UCHIYAMA」とか書いてあったりして終始うざかった。

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