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初恋のもだもだ  作者: 歩道
3/12

始まりの翌日ーside U

告白されてもだもだしてる翌日の話。

昨日、隣のクラスの子に告白された。


嬉しくて信じられなくって、家に帰ってからすぐ布団を被ってバタバタした。

夕飯で呼ばれて降りてったら、母さんに「あんた何ニヤついてんの?」と怪しまれた。


その日の夜は、ずっと彼女の真っ赤な顔を思い出しては顔が熱くなって布団でバタバタして、前に練習試合でたまたま他校で会った時の事を思い出しては、もしや…あの時はすでに俺の事が…などと思ったり、球技大会やマラソン大会のあの応援は、もしや…俺個人に向けていたのでは…などと思ってしまい、またバタバタした。


目が冴えてしまって中々寝付けなかった。


ボンヤリした頭でソワソワしている。と言うか、例え様のない不可思議な精神状態で、翌日学校に向かうと校庭で朝練中の彼女が見えた。


あ、かわいい。

あのかわいい子が…?え。まじか。

え。かわいい。


顔がジワジワ熱くなるのが分かって、どうしようもなく恥ずかしくなってきて、目をそらして部室に向かった。


その後、クラスも違うし顔を合わせる事もなく、何もなくその日は過ぎて、家で布団を被っていると「あれはもしや何か勘違いだったのでは?」と、絶望的な気持ちになってきた。


同じバスケ部の菊井や、滝田なんかは背も高くてイケメンで明るくてよくモテる。

対して、俺のなにが良いのか正直わからない。

俺なんか背は低いし、上手く喋れないし。


もしや、バスケ部の誰かが好きで、それの橋渡しとかそーゆーアレか?とか思った。

あの告白は衝撃的過ぎて、聞いた時頭がぐちゃぐちゃでマトモな精神状態ではなかったので、そーゆーアレを何か聞き漏らした感じのアレなのかもしれない。


考えれば考えるほど、そう思えてきて気分が落ち込む。


そうだ。球技大会やマラソン大会の応援だって。

俺みたいなのに個人的にかけるなんて、おかしいのでは。

男子皆んなへの応援だったんじゃないかって思った。

と言うか、昨日までそう思ってた。

そもそもからして、そーゆー黄色いアレは、菊井や滝田の様な明るい爽やかモテメン軍団にこそふさわしい。


そういや、練習試合の時の他校でたまたまバスケ部とソフト部が鉢合わせた時だって。

彼女のポジションはキャッチャーのはず。

最初はキャッチャーをしてくれてたのに、バスケ部が順番にピッチャーをやろうとしだしたら、キャッチャーを他の子に代わって、他の奴らと話したりとかしてたし。

主に、彼女とソフト部の山本さんと、あと彼女と同じクラスの菊井。3人で楽しげに話してた。

そういや、俺との接触は…、ボールを片付ける時に足元に落ちてたボールを放り投げた時か。

彼女がありがとうって言ってくれて、その時だけだな。


俺が好きだって言うんなら、その好きな奴と話したり、一緒に遊んだりできる状況なのに、そーゆーのやりたいって思わなかったのかな。

まぁ、そんな事になってとしても、全くもって対応できない自信ならあるのだが。

てか、やっぱ菊井と話したかったのかな。


やっぱり…考えれば考える程に現実味がなくて、イケメン菊井との橋渡しの勘違いでは?と言う考えが浮かぶ。


でもでも。

橋渡しなら、同じクラスの奴に頼めば良いし、接点もあまりない、しかも隣のクラスでコミュ障の俺に頼むのはおかしいよな?

だから、アレは間違いなく俺の事がって事だよな?


そんな希望と共に、顔がじわっと熱くなった。

と言うか、そう思いたい。

だって、かわいかった。

彼女の存在が気になって仕方がないんだ。

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