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初恋のもだもだ  作者: 歩道
12/12

それは意識か無意識か ーーーside U

球技大会、2年男子はバスケだった。

5組対6組。

走りながらボールを受け取った俺は、そのまま跳んでボールをすくいあげながらゴールに放る。

ボールはリングをくぐり、ファスっとネットが揺れた。

5組からは歓声、6組は残念がる声。

ふっと顔を上げたら、隣のクラスの女子と目が合った。

ショートの外はね。背の低い俺より少し小さい感じの女の子。

クリクリと見開いた目は、体育館のライトをキラキラ反射していた。

止まっていた女の子の体がハッとした様動いて、ふわっと笑ってそれから「頑張って!」と言った。


だってよ。頑張れよ6組。


ーーーー


部活で登校した土曜日。

グラウンドの脇を歩いていると、サッカー部とソフト部が練習しているのが見えた。


ソフト部に、足元だけ防具を着けて、よく通る声を出して外野に方向の指示を出して居た女の子が目に入った。

あの時の子だなと思った。


ーーーーー


ある朝、いつもの朝練でグラウンドの脇を通ると、サッカー部とソフト部が練習していた。

足元にだけ防具をつけた子と、ポニーテールの女子が2人で話していた。

ポニーテールの子は、防具をつけた子に「さっちゃん」と話しかけていた。

「さ」がつく名前らしい。


ーーーーー


校外学習が終わって、カメラマンが撮った写真が張り出された。

吉田と一緒に、あの時こーだったよな?なんて笑いながら、購入したい写真の番号を用紙に書いて行く。

自分が豆粒みたいに写ってるのは省いて、ちゃんと写っているものや、集合写真などの番号を書いて行く。

順番に見て行ったら、吉田が「お。これもお前写ってんじゃん!」と言った。

45番の写真は有名な神社の参道の写真で、参道脇のお土産屋さんを見ているらしき俺が、小さく写って居た。

左側には、あの「さっちゃん」という子がお土産屋さんを見ているのが写っていた。

自分が写ってる写真だしなと思って、用紙の45番にレ点を書いた。


ーーーーー


ある日、クラスのやつが「クラス別可愛い女子ランキング」なるものを作ると紙束を渡してきた。

紙には、集合写真を切り取ったと思わしき写真とその横に名前が書いてあった。

各クラス3位までを書く事、と赤字で書いてあって6クラス分6枚の投票用紙を渡された。

絶対に書かないとダメだと謎の圧をかけられた。

うわ。マメなやつだな、ちょっとキモいな。

と思いながら、紙をめくる。

6組の用紙に目を通した。

「さっちゃん」は笹井さん、と言うらしい。

笹井のさっちゃんなのか。と、思いながら球技大会の時の見た体育館のライトが反射したキラキラした目を思い出した。

最初に持って居たのが6組の紙だったので、6組の投票用紙から書いていった。

【1位笹井さん】


ーーーーーー


今日はマラソン大会。

苦痛しかない。

持久走の授業、これ1ヶ月だけ走らせてどんな成果が出ると言うのか?

と思いながら、走っている。

場所は学校近くの土手。

女子は2キロだが、男子は5キロも走らされる。

これは差別に違いない。

苦痛しかない。

先に走り終わった女子が、ロープで遮られた脇に居て各クラスや各部活のモテ男が通る度に黄色いアレを発する。

あと、同じクラスの男子が通った時とかもガンバレーなどの声が上がったりする。

俺の少し前に、バスケ部の伊達男、滝田と菊井が走ってるのでまぁ黄色い事、黄色い事。

他学年の女子まで黄色いアレを発している。

だとよ。頑張れよ伊達男達。

彼らは、時たま黄色い声に軽く手を挙げちゃったりしてて、さすが伊達男はイケメンムーブが絵になってるな。

と思いながら走るっていると、2人組の女子がロープ越しに見えた。

ソフト部の笹井さんとその友達だった。

横を通り過ぎる瞬間に「あと少し、頑張れ!」と声が聞こえた。


あと少しだってよ。

頑張れよ6組男子。

俺もあと少し頑張るか。


ーーーーー


今日は練習試合で他校にきた。

たまたま、ソフト部も同じ学校で練習試合だったらしく、バスケ部とソフト部で合流してお遊びが始まった。

バスケ部の誰かが「キャッチャー誰?」と言った。

頭の中で笹井さんだな。と思っているとバスケ部の酒井が「俺投げるから、ヨロー!」と言ってマウンドに立った。

笹井さんはキャッチャーなので、付き合ってくれてた。

酒井は暴投していた。ちゃんと投げろや。

笹井さんは暴投をしっかりキャッチしていた。

さすがキャッチャー。

ピッチャーが滝田に交代して、順番でピッチャーをやるから、その次は俺がやろうかなと思いながらボールを持って準備した。

すると、笹井さんは両手を振って「チェンジ!チェンジ!」

と言って、防具を脱いでやたらと貫禄のあるソフト部女子とキャッチャーを変わってしまった。

何となく残念な気持ちになって、チラッと目で追うと例の仲良しの子と合流して何やら話していた。


だんだんボール投げんの面倒くさくなって来たところで、自分の番になり、貫禄女子にキャッチャーをしてもらい自分の番が終わった。


気がつくと笹井さんが見当たらず、どこか行ったのか?と思って見渡したら、体育館の陰で隠れる感じで菊井と談笑してる女子を眺めている笹井さんを見つけた。

菊井が好きなのか?

と、横目で見ながらぼーっとしていたら、菊井達に笹井さんが合流して、菊井の傷の手当てをしてから3人で楽しそうに話し始めていた。

ニコニコキラキラ。


ふーん。

まぁ菊井はモテるからな。

彼女、同じ6組だしな。

ふーん。

と、何となく面白くないので酒井の尻にボールを投げたら、酒井は尻バット!と叫んでボールを尻で弾き返していた。


しばらくして、お開きになり散らばったボールをみんなで片付けはじめた。


近くの草むらに落ちていたボールを見つけたので拾って、少し離れたところに居た笹井さんに近づいてボールを放った。


ーありがとう!ー

ふわっと笑いかけられて、少し息が止まった。

「ああ。どーも。」と返事をしてから、小走りでバスケ部のみんなと合流した。


ーーーー


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