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初恋のもだもだ  作者: 歩道
11/12

息が止まる一瞬 ーside S

朝の体育館。

整列するクラスメイト。

キーンと響いたスピーカー。

校長先生の長話。

隣のクラスの好きな人。


斜め後ろの宇知山くんに、そっと顔を向けた。


ーえ。


息が止まる。


見たことの無いホワンとした感じの表情の宇知山君と目が合った。


瞬間。


目を見開いた宇知山くんは物凄い勢いで顔を背けた。

あまりの勢いに宇知山くんの隣の男子がビクッとする。


え。え。

何で?

え?


まさか目が合うなんて。

そんな事思っていなかったので頭が沸騰する。


え?

まさか見てたの?私を?

うわ待って。変な顔してなかったかな。


恥ずかしくて居た堪れなくなって、顔を戻して軽く俯く。

顔が熱い。


だって。

見てしまったのだ。

顔を背けた宇知山君。

その襟足が、耳が、真っ赤になっていた。


宇知山君が私を見てくれた。


なんだ。

ちゃんと、意識してくれてたんだ。


嬉しい。嬉しい。


好き。宇知山君が好き。


恥ずかしくて照れくさくて、自然と口元が緩んだ。


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