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バレンタイン特別SS

―ラファエル視点―


 昨夜、執務室で仕事をしていたら一緒に働いていたマリアから「ねぇ、明日はお仕事お休みにしない?」と言われた。

 珍しいなと思いつつも、たしかに最近は休日もなく働き続けていたので「そうですね」と同意する。


 彼女はどこか安心したように笑った。何かいたずらに成功したようなそんな嬉しそうな表情だった。


「そうね、それがいいわね。そうだ、ラファエル。たまには、街に行ってきてはどうかしら。この前注文していた本が届いているのに、引き取りに行けていないと言っていたじゃない。本屋さんをあまり待たせても悪いわよ」

 なぜか、早口にまくしたてる。


「では、ご一緒に……」

 と誘ったら……


「それは駄目よ。私はね、大事な用事があるの。だから、あなただけで行ってきて」

 そんな必死に言わなくてもと思う。それに……


「大事な用事であれば、私もお手伝いいたしますよ」と確認してみると……


「だ、だいじょうぶ。あなたは街でゆっくりしてきて。久しぶりの休みなんだから、私用に付き合わせるのは悪いわ。気にしないで」

 そんな風に言われて、送り出されてしまった。

 

 ※


 本を受け取り、マリアが好きな菓子の店でお土産を買うことにした。しかし、いつも以上に店が混んでいたので、女性の店員に「今日は何かあるのですか」と聞くと、「ふふ、そういえばラファエル様は知らないのですね。この地方には、今日甘い菓子を思い人に渡すと思いが叶うという言い伝えがあるのです」と笑っていた。


 そして、自分が買ったカヌレが今日は特別にハート形になっていたことに気づく。少し恥ずかしいが、彼女は喜んでくれるだろうか。そして、マリアが隠れて何をしたかったのかわかった。


 街から戻ったら、屋敷は甘い香りに包まれていた。

 


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