第八十五話 本戦の舞台へ
闘技場から帰った僕は、手の空いている人に手伝って貰って、夕食の準備をした。
四人の師弟は、今日で修行完了、明日が試合なので、美味しいものをおなか一杯食べて貰おうと種類も量も目一杯用意した。
そして僕は、席取りの為に早めにお風呂に入り、本戦の会場へマリーと共に出かけた。
さすがにこんなに早く来ている人はいないと思っていましたが、ちらほら席取りの人がすでにいました。
僕は三十人分の席を確保する為、ビニールシートを敷いて明日の試合に思いを馳せています。
一体誰が優勝するのだろうかと。
まさか、うちの四天王が初戦で負けることは無いと思いますが、とてつもなく強い人がどこかに潜んで居るかもしれません、頭の片隅には入れておかないといけません。
そんなことを考えていたら、三人の師匠が僕の横に座りました。
ローズは、体が生身のエリサさんなので、食事と睡眠が必要です。
来たいのを我慢して、こちらに来るのは明日でしょう。
「お疲れ様でした」
「いいえ、とても楽しかったのじゃ」
ユーリさんが答えると、アクエラさんとデルイドさんがうなずいています。
「ふふふ、じゃあここに居酒屋マリーを開店しましょうか」
僕が言うと、マリーは三人の好みのお酒を出し、僕には生中を出してくれた。
いつのまにか、魔女姿になっているマリーも、ビールを手に持っている。
「カンパーイ」
五人で乾杯して、じゃんじゃん料理をマリーに出してもらった。
三十人分の席を確保しているので、料理を置きたい放題である。
料理は、焼き鳥に始まり、ぶり大根、肉じゃが、串揚げなど酒の肴を中心に出して貰った。
僕たちが楽しそうにどんちゃん騒ぎをしていると、何事かと様子を見に来た人がいたので、こっちはもう気分が良くて楽しい気持ちだったので、どんどんお酒も料理も振る舞った。
すごい大騒ぎが朝まで続いた。
夜が明けて、まわりが明るくなると、早々に、ノコ家の人々がやってきた。
「おはようございます!」
ローズがあいさつをしてきましたが、こめかみがヒクヒクしています。
何だかご立腹のようです。
僕はゾンビなので酔っ払いませんが、何だかユーリさんとアクエラさんとデルイドさんは酔っ払っているみたいです。
同じ、ゾンビでも少し違いがあるようです。
「少しかたづけてもよろしいですか」
ローズが、こめかみをヒクヒクさせたまま聞いて来ました。
まわりを見るとすごく散らかっています。
「あー、よろしくお願いします」
僕がお願いした瞬間に綺麗に片づきました。
まわりが片づいたところで、僕はマリーに、
「味噌ラーメン五つ」
締めの味噌ラーメンを頼みました。
やっぱりお酒の後は味噌ラーメンですね。
まわりから、何だかすごく刺すような視線を感じました。
「あっ、皆さんも食べますか」
「はい!!」
まわりの全員から返事が帰って来ました。
夜中から宴会をしている人達と、ノコ家の人達全員に振る舞った。
今日の主役の四人も美味しそうに大盛りの味噌ラーメンを食べている。
四人の服を見て僕はビックリした。
昨日僕が着ていた服の色違いの服なのだ。
ということは超ミニスカートなのである。
ふと気が付いて、自分の服を、油の切れたロボットのように、首をギコギコ言わせながら見てみたら、僕も同じ服を着ていました。
ンデラちゃんとツェシュさんは極薄い青い色で、ヒュナちゃんとメグちゃんは極薄いピンク色で、デザインは同じで、チャイナドレスの超ミニスカートという感じになっています。
「すみません、ノコ様」
呼ばれて見てみるとホベルトさんだった。
「なんですか」
「と、とても美しいです……」
はーーっ、この男そんなことをわざわざ言いに来たのかー。
「は、はあ……」
「あーっ、す、すみません。思ったことがつい口から出てしまいました。陛下が、席は用意してあるので、この場所は市民に開けて欲しいとのお言葉です」
僕たちは、せっかく寝ずに確保した席を手放し、ホベルトさんのあとをついていった。
用意されていたのは、闘技場が一望出来る特等席、王族専用の席だった。
もちろん王様の姿もある。
僕は目が点になっている。
ヒュナちゃんとヒュアちゃんが爆笑しています。
「ノコ様、父をよろしくお願いします」
二人の満面の笑顔です。
いまさら嫌だとは、言えるわけがありません。
二人の策略にまんまとやられました。
「では、私達は試合がありますので失礼します」
うちの四天王が試合の舞台へ向かいました。
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