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第六話 ダンジョンへ

 ダンジョンへ向かう隊列の移動は遅かった。

 それは移動時間より休憩時間の方が長いからだ。

 3日の行程を1週間かけてやっとダンジョンの入り口だった。

 つくづくクズ勇者だった。


 勇者の他には、S級冒険者が二名、A級冒険者が五名、その他を含めて百人の構成だ。

 まあ、僕とローズは一番下っ端ですけどね。

 その後ダンジョンの三階制圧までに三日かかった。


 そしていよいよ、勇者と上級冒険者が四階へ入って行った。


「うわああああああああーー」


 直ぐに全員悲鳴と共に出て来た。

 もちろん先頭は勇者様だった。


「くひひひー」


 ローズが気持ち悪い笑い声で笑っている。

 勇者と上級冒険者が出ていくと、その後ろを追ってどんどん冒険者が出て行った。


「最後はこうなるかーー」


 結局は広い空間にポツンと、僕とローズだけになった。

 二人だけになると明かりも無くなって、真っ暗になってしまった。


「ローズ、オーブを出してくれる」


「はい」


 心なしかローズがうれしそうだ。

 ゴーストのスキルはオーブと憑依だけだ。

 賢者の魔法で明るくするのでは無くて、ローズ自身のスキルを使ってもらうように配慮したのだ。

 うれしそうということは、伝わったみたいだ。


「あーちょっと暗いね、やっぱり魔法でお願い」


「……」


「ぎゃーーー」


 明るくなったら、ローズの顔が鬼の様になっていた。

 ゾンビより恐くて悲鳴を上げてしまった。


「ロ、ローズさん、行きましょうか」


「……」


 返事は無い、だだのお怒りモードのようだ。

 少し暗いくらい我慢すれば良かった。






 ダンジョン四階。


「あー、こいつかーー。なんでこんな奴がここにいるんだー」


「……」


 ローズさんはまだ機嫌が悪い。

 この部屋にダンジョンマスタークラスのモンスターがいた。

 ダンジョンの高い天井にくっつく程の大きさのドラゴンゾンビがいるのだ。


「おやおや、まだ逃げていない人がいたのですねーー」


 奥から黒いフードをかぶった男が現れた。

 顔がドロドロに溶けたような皮膚で、異様な雰囲気があった。

 その男がニヤニヤ気持ちの悪い薄笑いを浮かべている。


「あなた達が本命と言うことですか。しかし入って来てすぐに、逃げて行かれたのには参りましたよ。身代金を伝える暇もありませんでした。あれが人類最強の勇者様とは笑ってしまいましたよ。ふふふ、私の存在にも気が付きませんでしたよ」


 うん、すごい自信だ。


「人質は無事か」


「くーー、しびれますねー。この状況で人質の心配ですかー。おい!!」


 フード男があごをクイッと動かすと、手下が横穴から一人の少女を連れてきた。

 少女は薄汚れていたが自分の足で歩いている。無事なようだ。


「ふふふ、私はネクロマンサーでしてね。このドラゴンゾンビを自由に使役できるのですよ。ここでこいつを見つけたときは、震えました。このダンジョンなら私は最強だとね」


「へー」


 僕はわざと気の抜けた返事をした。


「あなたは、状況が分かっているのですか。私の命令でこのドラゴンを自由に操れるのですよ」

最後までお読み頂きありがとうございます。


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