第四十八話 厨房での喝采
ベースのスープが出来たら。
赤みの牛肉、ワイン、野菜をたして、トマトを大量に入れてビーフシチュー。
それとは別に、豚の挽肉にネギに似た野菜を入れてショウガ風味の薬草を入れて、肉団子のスープを作った。
次は、小麦粉を耳たぶぐらいの硬さに練った物を、平たく伸ばし折りたたむ。
そして、薄く細く切りパスタを作る。
そして挽肉とオニオンを炒め、トマトとベースのスープで、ミートソースのパスタ。
玉子とミルクとベースのスープを熱々パスタにまぜて。カルボナーラ風パスタを作った。
隣で味見と言いながら、口一杯頬張っているヒュアちゃんに、
「パスタも出来上がったので、家族の方に冷めないうちに食べてもらって下さい」
「あー大丈夫です、さっきから、スープを食べていますから」
料理を見たら、我慢出来ずに食べ出したとのことだった。
厨房では、代わる代わる、メイドさんと料理人が味見をしている。
次は僕お手製のハンバーグをソースの作り方まで説明して作り上げた。
その後は、ラードをつかって、豚の肉をパン粉の衣を付けてとんかつを作った。
ソースは、ハンバーグソースをそのまま使った。
王族の食卓へ運ぶ前に、味見で次々減ってしまい、中々運ばれて行かなかった。
「あの、ローズ、ユーリさんそれは味見の域を出てしまっていますよ」
僕の横でバクバク食べている二人に注意した。
「そんなの、できたてが一番おいしいのじゃー」
もう、味見ということも忘れているようだ。
せっかく油が温まっているので、フライドポテトと、オニオンリングもつくった。
最期にフルーツの盛り合わせを造り、超貴重品の蜂蜜をたっぷり掛けてデザートにした。
蜂蜜は超貴重品でも、ローズは魔法でいくらでも出せるので、惜しげ無くたっぷり掛けた。
「以上です」
「わあああーーー」
僕が、手を洗って、頭を下げると厨房で拍手喝采が起った。
料理人も、メイドさんも皆笑顔で、しばらく拍手が終らなかった。
僕は、何だかここまで評価されて、心が、そして命が歓喜するのを感じてしまった。
少し視線を感じて振り返ると、後ろでヒュアちゃんとローズ、ユーリさんが潤んだ目で赤くなり、ボーーッと僕を見つめている。
「では、今度は僕に皆さんの作った料理を食べさせて下さい」
そう言って厨房を出た。
厨房を出てもしばらく拍手は止らなかった。
厨房を後にして食事の間に戻ると、王子が駆け寄ってきた。
「ノ、ノコ様、僕の妃になって下さい」
「奇跡の料理です」
「そしてとても美しい」
「女同士で結婚などせず、私と結婚して下さい」
四人の王子がひざまずき求婚してきた。
あれ、この人達、僕を男だと知らないのか。
「うふふ、ヒュアがどうしてもと、思っている様だから、何も言いませんでしたが、ノコ様は、女同士で結婚するより、やはりちゃんと結婚された方がいいと思いますわ」
はーー、ヒュアちゃんのお母さんまで何を言っているんだ。
「僕は……ふがふが」
僕が、男と言おうとしたら、ローズとユーリさんとヒュアちゃんに邪魔された。
ヒュアちゃんは椅子の上に立って、僕の口を押さえている。
「お兄様! ノコ様は、ヒュアの物です絶対渡しません」
凄い顔でにらんでいる。余りの迫力に王子達が怯んでいる。
「ぼ、僕は王族と結婚出来るほどの者ではありません。どうかご容赦下さい」
そう言って、ぺこりと頭を下げた。
ヒュアちゃんが勝ち誇った様な顔をしていますが、あなたも王族ですからね。
その後、僕の前にお城の料理人が作った料理が運ばれたが、やはり僕が作った物の方が美味しかった。
「ノコ様、この料理は、ノコ様の作った物よりおいしく無いですね」
ヒュアちゃんが大きな声で言った。
「初めて作ってこれなら上出来です。だんだん美味しくなるはずです。それとそういう事は大きな声で言うものではありません」
ヒュアちゃんが口を押さえ赤くなりました。
食事が終わり、王様に丁重にあいさつを済まして、僕たちはローズの魔法で家に帰った。
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