第三十二話 大暴れ
カドモス商会では、これ程の強者と戦った事が無かったのでしょう、色々なドアから数人ずつロビーに入り、ローズとユーリさん、アクエラさんに次々倒されていきます。
三人は余裕で戦っている為、全員の両手両足を上手にへし折って動けなくしてロビーの片隅に積み上げていきます。
下手にケガをさせると、ゾンビになってしまう為、慎重に戦ってくれています。
二百人を少し超えた位で、誰も出てこなくなりました。
すでに髭面の大男も両手両足を折られて、体の自由が効かなくなっている。
「あのー、幼いドラゴンがいると思うのですが、知りませんか。返して欲しいのです」
僕は、髭面の大男に優しく聞いて見た。
「けっ、誰が貴様なんかに教えるかっていうんだ!!」
「ということは、ここにいるのですね。どこですか?」
髭面の大男は少しあせった顔をした。
「お、教えねーって言ってるんだー!」
「なんで、そんなに強気なのでしょうか。ローズ別の人に聞きましょう。連れてきて下さい」
ローズはロビーの隅に倒れている一人の男の、あごの下をつかんで僕の前に連れてきた。
「幼い可哀想なドラゴンは何処にいますか!」
ぺっ
ローズに運ばれた男は、僕に唾を吐きかけた。
それが、僕の足にかかった。
ベキン
「ほおわーーー」
ローズがあごを握りつぶした。
本当は「ぎゃーー」と悲鳴を上げたかったのだろうが、縦に割れたあごではこもった音しか出せなかった。
ローズはあごから大量に血を流す男を、髭面の大男の前にどさっと落とした。
「ヒッ」
「あーあー、この人とうぶん、ご飯食べられないよー。ローズ次の人」
ローズはまた一人僕の前に連れてきた。
「あのー、幼い可哀想なドラゴンがいると思うのですが……」
バキン
「ほあああーーー」
ローズが僕の質問が終る前にあごを握りつぶしてしまった。
「あのー、ローズさんまだ質問の途中ですよ」
「大丈夫です。変わりはまだ一杯あります」
そう言うと、あごの割れた男を、ロビーで沢山倒れている人の前に投げた。
ドサッ
手足が折れている為、手足があり得ない方向に曲がり、口から大量に血を流し、目から大量の涙を流す男を見て、悲鳴が上がった。
するとローズの体が光った。
こんなときにレベルアップしたのだ。
ゴーストの経験値は人をおどかし恐怖させることで手に入る。
今回大量に経験値が入ったのだろう。
清楚で美しいエリサさんの体をのっとっているローズが、狂気の笑顔になった。それは美しく見えるけど襲いかかってくるのは恐怖だけという笑顔だった。
ローズの笑顔に、男達がまた恐怖した。
「じゃあ、次は、この人で」
僕は、目の前の髭面の大男を指さした。
ローズがあごに手をかけた。
「ヒュいます」
「はーーっ、なにを言っているのか、わかりません」
ローズがにらみ付けた。
「ローズさん、あごをつかんでいたらそうなります」
「そうですかー、こいつもつぶして、次のにしましょう」
「ひーーっ」
髭面の大男が悲鳴を上げると、ローズが悪い笑顔になった。
「で、何処ですか。案内して下さい」
僕がそう言うと、髭面の大男は指で場所を案内した。
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