第三十一話 商会潜入
「あっ、あのそれは、カドモス商会のことだと思います」
僕たち四人をのぞいて、全員知っている当たり前の事のようだった。
皆を代表して大将軍ゼルバン様が教えてくれました。
「カドモス商会は合法な取引をしている商会で、カドモス侯爵という貴族が運営している商会です。でありますので……」
「ふふふ、ゼルバン様の歯切れが、悪くなるほどの人物と言うことですね。分かりました。ついでに場所も教えて下さい」
「場所は王都の中心近くの、一番大きな建物です」
「ローズ、行きます」
「あーー、姉御ーー置いて行かないでください。私達も行きまーす」
僕とローズ、ユーリさん、アクエラさんの四人はパリス国、王都ヘイヘの中心に移動した。
移動前にサビアさんが何か言っていたみたいですが、間に合いませんでしたね。
さて、カドモス商会は、何処でしょう。
「あ、ありました。あれですか。皆さん行きましょう」
ふふふ、余程儲かっているのか、探すまでも無く、余りにも大きな建物なので、すぐに見つかりました。
「皆さん、相手の出方次第ですが、殺さない程度に暴れましょう」
「ふふふ、分かりました」
「わかったのじゃ」
「分かったでありんす」
三人がとても楽しそうな表情になった。
ふふふ、僕は、カドモス商会が丁寧な対応ならそれなりに、乱暴を振るう気ならそれなりに対応しようと考えていた。
「お邪魔します」
ドアを開けて中に入った。
「どちら様ですか」
入り口を入ると、とてつもなく大きなロビーがあった。
その脇にちょこんと受付が有り受付嬢がいる。
「ふふふ、ノコです。ここの一番偉い人を呼んでください。話したいことがあります」
「はーーっ、な、何なんですかあなた達は」
「ノコですよ」
受付嬢は埒があかないと判断したのか、横の扉を少し開けて中に大声を出した。
「すみませーーん、お願いしまーす」
たぶん、こういう事には、なれているのだろう。
がらの悪い男が十人程出て来た。
そして、受付嬢は逃げ出してしまった。
「ぎゃーーはっはっ、今までで一番可愛らしい来客だぜ」
「あなたが、ここで一番偉い人ですか」
「ちっ、F級冒険者風情が何の用だ」
髭面の体の一番大きな男が吐き捨てるように言った。
腰に付けている、赤い剣の柄に手をやりニヤニヤしている。
腰の剣は、幼いドラゴンから取った素材で出来ているのだろう、キラキラ輝いていた。
「あなたでは話してもしょうがないです。もっと上の方と話したいのですが」
「なにー、このアマーー」
そう言うと、僕の腕をつかんだ。
僕の体は今、マリーの魔法で超虚弱体質になっている。
大の男につかまれたら、折れます。
ボキン
「ぎゃーーーー」
たいして痛くありませんが、ここは大げさに痛がっておきます。
「い、いきなり人の骨を折るとは許せません。皆さん、こらしめてやってください」
「ぎゃーーはっはっ、てめーら程度が何をこらしめられるって言うんだー」
髭面の大男が言い終わった時には、回りの男は倒れて立ち上がれなくなっていた。
「な、何なんだお前達はーー」
髭面の大男は、剣を抜き震える手で構えた。
「面倒くさいので、用心棒を全部呼んで下さい」
「侵入者だーー、全員出てこーい!!」
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