第二十六話 極東の村
村を出て森の中の道を、この国最後の村に向かって歩く。
歩いているのは、森の中の二人と合流する為だ。
すると森から二体の全裸の美しいゾンビが現れた。
二人に恥じらいは無かった。
むしろこれをチャンスと見せようとしているようにも見える。
「わーーっ、ローズさん服を出してあげて下さい」
僕が悲鳴を上げたら、ニヤニヤ嬉しそうにしている。
巨大化した為に服が破れてしまった、ユーリさんとアクエラさんだ。
「はい、分かりました」
「じゃあ全員そろったから、ローズ移動魔法を」
「はい」
僕と、三人衆は村の前に着いた。
村には、驚くことにまだ生存者がいた。
「くそー、まだ援軍は来ないのかー」
回りは、オークに囲まれていたが懸命に戦っている。
兵士は少なかったがS級冒険者が二人とA級冒険者、B級冒険者ばかりで百人ほどがひと固まりになって、さすがによくモンスターと戦っている。
「ローズ、それを見て!!」
ローズが肩からかけているカバンが、ぽっこり膨らんでいる。
ローズが蓋を開けると、中からマリーが飛び出して来た。
「……、久しぶりニャ、ノコ様」
「マ、マリー」
「一ヶ月ぶりですニャ」
「マリー取りあえず、僕の力を元に戻して欲しい」
「分かりましたニャ、少し減らしすぎましたニャ」
「じゃあ、村の外はユーリさんとアクエラさんにお任せします。気を付けて下さいね」
二人はうなずくと走り出した。
「さて、ローズ、僕も行って来ます」
僕はローズに剣をもらって、村の門をくぐった。
そこには数百体のオークがいた。
一斉に襲いかかれば、村で必死に戦っている部隊は瞬殺だろうに、少しずつで襲いかかっている。
遊んでいるのだ。
「ぐへへへへ」
それを見ながら笑っている。
「ぎゃああーーー」
オークの群れに悲鳴が上がった。
うん、まだまだ百パーセントじゃ無いけど僕の力は戻っている。
次々オークを倒してやった。
「お前は何者だ! ふふふ、人間の女か、降参するならかわいがってやるぞ」
少し強そうなオークが僕の前で行く手をさえぎった。
「うるさいなー、お前程度じゃ僕に勝てないよ」
「ふ、ふざけるな、俺はオークマスターだ。人間ごときが勝てると思うな」
ぎゃあああー。
うん力が戻った僕は、オークマスターくらいは瞬殺出来る。
予想外の敵が現れてオークが混乱におちいった。
「どうしたんだ、援軍か」
「皆さん、逃げて下さいニャー」
マリーが村の外へ、残存部隊を逃がした。
「た、助かった。あなた達は誰なのですか」
「そんなことは、気にせずはやく逃げて下さい」
「フラッシュライン!!」
村から残存部隊の避難が終るとローズが魔法を使った。
「な、何だあの光は、美しい」
逃げながら村の上空から、光が降り注ぐ様子を見て声を上げていた。
村からモンスターがいなくなると、急に武器が重くなった。
持っていられない。
ガチャン
とうとう落としてしまった。
「マリー!!」
「ニャーー」
あ、可愛い黒猫が来た。
思わず抱きしめてしまった。
「ローズ、マリーは?」
「あら、ノコ様が抱っこしているじゃあ、ありませんか」
「えっ」
「また、猫で一ヶ月過ごすそうですよ」
「えっ、えーっ、まあいいか可愛いから。じゃない、マリー! なんで非力にもどしたんだー」
そういえば、マリーが猫だと、ミソラーメンもチャーハンも餃子もお預けじゃないですか。まいりました。
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