第二十二話 激戦の予感
「その前に、俺たちはここに居ていいのか、ギルド長」
ティコーさんが驚いて質問した。
最初追い出そうとしたのに、追い出す気配が無いので疑問に思ったのだろう。
「ふふふ、なんだ出て行きたいのか。ここから話すことは、今日いる冒険者全員に話した内容だ。隠したかったのは、ノコ様達の実力だ。お前達はもう知っているのだろう」
「へへへっ」
ティコーさんが少し嬉しそうだ。
「では、話しを戻しましょう。ノコ様、よろしいですか」
「どうぞ」
「実は、このパリスの国の北東から大森林のモンスターが侵攻してきましてな。東の村がいくつも壊滅しました。今、東の城塞都市ルーデの街で迎え撃とうと軍が編成されました」
「ドラゴンですね」
おそらくドラゴン族が、この国に侵攻する為、最初に森のモンスターを追い立てたのだろう。
そして森のモンスターに戦わせて疲弊させ、その後にドラゴン族の本体が攻めて来るつもりなのだ。
「さすがノコ様ですね。まさしくその通りです。今回は、ドラゴンの国との戦争です。国軍が動きますので、冒険者にはその手助けの依頼が来ているのです」
「で、僕への依頼は何ですか」
「これは、私の独断ですが、始めは他の冒険者と同行していただいて、ドラゴンと交渉してもらいたいのです」
「要するに、モンスターを皆殺しにして、ドラゴンを皆殺しにしろと言うことですか」
「はははっ……」
「……」
僕たちの横で三人の冒険者の目が点になっている。
「さすがに、それはお断りします。というか出来るはずがありませんよ。いくら何でも」
本当は出来るけど僕は断った。
「ふふふ、では何処までやっていただけますか」
この爺さん、悪い笑顔をするなー。
「ドラゴンの王とは話しをしてみます。その位ですね」
「おおお、では行っていただけるのですか」
「うん、行くよ。面白そうだからね」
「おっ、面白そう」
三人の冒険者が驚いている。
「じゃあ、僕たちは先にルーデの街に行きます」
「もう行くのですか」
さすがにギルド長も驚いている。
でも、僕の横の美女三人は悪魔のような笑顔になっている。
「じゃあローズ頼むよ」
「はい、ノコ様」
パリス国、東部防衛拠点ルーデの城塞都市。
その街外れ。
「ふふふ、ここは昔とあんまり変わらないね」
「そうですね」
昔、ドラゴンと戦った時にこの街に来たことがある。
その時にドラゴンを率いていたのはユーリさんだった。
ユーリさんがいるから、ドラゴンとの交渉は簡単かな、なんて甘く考えている。
すでにこの街の先では、モンスターと激しい戦闘が行われているようでけが人が大勢いる。
「おい、そこの冒険者共邪魔だ。しかもF級かよ。どけどけ」
たいして邪魔になっているとは思えないが、強く体にぶつかってきた。
非力な僕は吹き飛ばされた。
まあ、お偉い兵士様だから逆らわないでおいてあげよう。
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