第十八話 お風呂回
「うわああああー!」
僕はギルド長のように大声を出してしまった。
ローズの転送魔法だ、ヒュアちゃんのお風呂に移動させられて。座り込んでしまった。
胸には、可愛い黒猫マリーを抱っこしたままだ。
「ローズなにがあった?」
ローズは返事もしないであごをクイクイと二度動かした。
ローズのあごの先を見ると、ヒュアちゃんが両手で顔をおおい、泣いていた。
僕が現れたのにメイドさんが気付き、ヒュアちゃんに耳打ちをした。
「ノコ様――!!」
ヒュアちゃんが、満面の笑顔になり走って来る。
「ぐえっ」
余りにもすごい突進で僕は、変な声が出てしまった。
マリーの魔法で、僕の体はひ弱になっている。
ヒュアちゃんが飛び込んできただけで、ダメージを受けている。
そして、ヒュアちゃんが涙目で見上げてくる。かわいすぎる。
僕のお泊まりをこんなに楽しみにしていてくれたのかと思うと申し訳ない気持ちになった。
「ノコ様、私達は皆、入浴が終りました。どうぞお入り下さい」
ローズが僕に入浴を勧めてきた。
いわれて、全員を見ると、ローズもヒュアちゃんも、ユーリさんもアクエラさんも綺麗な寝着を着ている。
「しょーが無いなー。分かったよ」
これ以上ヒュアちゃんを、悲しませるわけにもいかないので、あきらめてお風呂に入って、泊っていくことにした。
「あの、恥ずかしいから、全員出て行って下さい」
僕が全員出て行ってもらうように伝え、服を脱いだ。
せっかくなので、マリーも洗ってあげることにした。
お風呂場に行き、体とマリーを洗ってから、湯船に入った。
「ふー、気持ちがいい」
ん、なんだか脱衣所が騒がしい。
「ぎゃーーー!! お、お前達は馬鹿なのかー」
ユーリさんと、アクエラさんとローズの順にお風呂に入ってきた。
体に何もつけていない。
だが湯気で肝心な所は見えていない。
断じていない。
だが、三人の魅力的な体をほとんど見てしまった。
ユーリさんの乱暴な胸のふくらみ、それより少し小さいアクエラさん、ローズはほんとに清楚で美しいエリサさんの体だ。エリサさんなら絶対こんなことはしないだろう。
かろうじて、ヒュアちゃんだけは恥ずかしそうに扉から顔だけを出すだけで留まってくれている。
こいつらに比べたら男の、のぞきのなんと可愛いことかー。
なんとか、こいつらの裸を見ないようにする為に、顔を黒猫マリーで隠してお風呂を後にした。
「ノコ様、何とか見ずにすみましたか?」
メイドさんの一人が声をかけてくれました。
「はい、何とか」
「では、お着替えをしますね」
「は、はいお願いします」
ふと、後ろを向いたら胸を手で押さえた、ヒュアちゃんの姿があった。
三人とは違いパンツは履いていた。
でも一応服は脱いだんだね。
「ノコ様は、見られるのは平気なんですね」
「ぎゃーー! そうでした。見ないようにすることばかり気にして見られることを気にしていなかったー」
くそー、おまえら、責任とってちゃんとお婿さんにしろよー。
「はい、終りました」
メイドさんが、僕の背中をぽんと軽く叩いてくれた。
「うわーー、な、何じゃこりゃー」
僕は、自分の服を見た。
鏡では無い、鏡などはマリーの魔女の呪いで見ることが出来ない。
見ようとすると、小さい鏡は割れてしまい、大きな鏡は曇ってしまって見えない。
首を曲げて自分の服を目で見たのだ。
そこにはどう考えてもスカートがみえた。
「おきれいですよ」
うん、全然うれしくない。
それどころか、男だって分かっていますよね皆さん。
さっき全部見ていたんだからー。
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