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第十四話 ホームパーティー

「あっ、ヒュアちゃん、ゲフッ!」


 すごい勢いで飛び込んできた。


「探していたのですよ」


 上目遣いで下から見上げるヒュアちゃんが可愛い。

 やっぱり超美少女だ。


「ぼ、僕を?」


「そうです。お礼すら言っていませんでした」


 涙目になっている。


「そんなこと気にしなくてもいいのに」


「くすくす、王女を助けてそんな事を言う人はノコ様だけですよ。助けてくださってありがとうございます」


「いえいえ、どういたしまして、じゃあローズ帰ろうか」


「はーーっ、ノコ様!!」


 あっ、なんかヒュアちゃんが怒っている。


「ローズ様、私も一緒に行きます。ホベルトは先に帰って下さい」


「姫、それは出来ません。私は国王陛下から護衛を任されているのですから」


「あらあら、まあまあ、では二人とも一緒にご飯でも食べましょう。ノコ様の料理はとても美味しいのですよ」


 ローズが美しい笑顔で二人を家に招待した。


「じゃあ、ギルド長、僕たちは家に帰ります。今日の事は勇者様の手柄にしておいてください。くれぐれも僕たちの事は内密に」


「分かりました。あーーっ。ま、まさか、いや、そんな」


「どうしましたギルド長?」


「いや、いま、一つひっかかっていたことを、思い出しましてな。伝説の大魔王のことをです。たしか大魔王アクエラ……」


「ロ、ローズすぐに帰るよ」


 僕たちはギルドを後にした。






「ぎゃーーー、いやだー、こわいーー」


 ヒュア姫が僕の家の前で泣き出した。


「わちきの城の様におもむきのある家でありんすねー」


 僕の家の中は魔法で綺麗になっているけど、家の外観と庭はそのままでおどろおどろしい。お化け屋敷のままだ。


「では、帰られますか」


 うわーー、ローズが嫌な笑いを浮かべている。


「かかか、か、帰りません。今日は泊っていきます」


 んっ、さらっと変なことを言ったぞ。

 ヒュア姫は生まれたての子鹿のように、足をかくかくしながら、玄関にゆっくり進んでいます。

 驚いたのは護衛のホベルトさんまで、足がガクガクしていることです。


 ぎゃー、ぎゃー


「うぎゃーー、な、な、なんですかー、なんなんですかー!!」


「カラスですね。家の中はもっと恐いですよー、大丈夫ですかー?」


 ローズが調子に乗って、いじっている。

 子供なんだから優しくしてあげればいいのに。

 護衛のホベルトさんが青い顔をしているのが面白い。


「ぎゃーーー、な、な、な、なんですかー。なんなんですかーー」


 今度はローズがオーブを出した。ゴーストは、戦闘力が0だ。みずから戦闘して、経験値を稼ぐことが出来ない。

 では、どの様に経験値を稼ぐのか、それは人を驚かせると経験値が入る。

 そして階級が上がると憑依が出来るようになり、憑依した相手の経験値の半分を手に入れる事が出来るようになる。


 ローズは、エリサという大賢者に憑依したゴーストで、人を驚かせば経験値が確保出来る。

 こんなに驚かせば、きっと一杯経験値がたまっていることだろう。


「姫――、こ、ここは危険です。帰った方がよろしいかと」


 ホベルトさんの怖がり方が、とっても面白い。

 しかも、怖がっていない振りをしているので余計に面白い。


「ぶーー」


 我慢出来ずにローズが吹き出している。


「な、中はもっと恐ろしいことになっているのじゃ」


 ユーリさんまで調子に乗っている。


「ひっ」


 もう二人とも我慢出来ずに、悲鳴を上げた。


「おーーい、中はすごい綺麗で、新品でありんすー!」


 空気を読まない大魔王が一早く玄関を開けてネタばらしをしてしまった。

 ローズが舌打ちして、アクエラさんをにらんでいる。

 きっともっと経験値が稼ぎたかったのだろう。


「すごいです。とても綺麗です」


 家の中に入ると、ヒュアちゃんが感動してくれています。

 さあ、楽しいホームパーティーの始まりです。

最後までお読み頂きありがとうございます。


「面白かった!」

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