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第十一話 西の街の危機

「あの、体は大丈夫ですか」


「大丈夫です。こんな毒効きません」


「そ、そうですか。もっと強い毒もありますが」


「へっ……」


 いやいや、僕は毒を味見しに来たわけではないのだけどね。

 うわーー、強力な毒をさじに山盛りにしてるよ。


「こいつは、オーガでも苦しませずにいちころに出来ます。うちで一番の猛毒です」


「はーーっ、ど、毒はいりませんよ」


 何、その残念そうな顔は。

 薬を瓶に戻しながら二度見してるし、まじ恐いよ。


 結局この店で三種類の薬草を買った。

 一つはミントのような香りの薬草と、ナツメグのような香りの薬草、そして生姜のような薬草だ。

 中でも生姜は、日本の生姜そっくりだった。


 僕は家に帰ると料理にいそしんだ。

 ハンバーグと肉団子のスープがローズにもユーリさんにも好評だった。

 この料理は大賢者様に憶えてもらって、魔法で出せるようにしてもらった。






「うわああーー」


 ギルド長が驚いている。


「いつも驚きすぎですよ」


 僕たちは久しぶりにギルドに来た。

 いつもの様にギルド長の部屋の中に直接移動したのだ。


「ちょ、丁度よかった。いまから西のハルトの町へ、勇者様の部隊が出発するところです」


「ギルド長、いきなりそんなことを言われても、何のことか分かりません。ちゃんと説明してください」


 ローズが少し怒りながら言う。

 ローズにとってはまだ若造に見えるのだろう。


「いやー、すいません。少し焦ってしまいました。じつは西のダンジョンの近くのハルトの町に、モンスターがあふれ出しましてな。モンスターにハルトの町が占領されてしまったのです。いったい何処からあれほどのモンスターが、出て来たのか」


「ハルトの町ならギルドもあるのでしょ?」


「二百名程登録しておりますが、最高の階級でもB級でしてな、逃げるのが精一杯でした」


「ノコ様どうなさいますか」


「うーーん、同行すると時間がかかるから、勝手に行っては駄目かな」


「な、なんと。それならばそれでお願いします」


 ギルド長が深々と頭を下げた。


「じゃあ、ローズ転送を頼むよ」






「ノコ様あそこに見えるのがハルトの町です」


 ローズは町を見下ろす森の高台に移動してくれた。


「すごい数じゃのー、まるでダンジョンのモンスターが全部出て来た見たいじゃ」


「……」


「……」


 僕とローズは見つめ合った。

 すごく心あたりがある。


「と、取りあえず近くへ行ってみよう」


 町は外壁がぐるりと取り囲む堅牢な造りになっているが、すでに門が壊れて町の中にはモンスターがあふれている。


 そして、化け物のような巨大な存在がいた。


 トロールだ、階級はキングだろう。

 町の外壁から頭が出るほどでかい。


「王よ、捕らえた人間を連れてきました」


 二回りほど小さいトロールが手に人間をつかんでいる。

 取り残されて捕まった人間は、B級の冒険者のようだ。

 冒険者は、左胸に階級章をつけているのですぐに分かる。

 僕の左胸には当然ギルドでもらったばかりの、F級の階級章が光輝いている。


「人間よ何故このようなことをした」


「な、何を言っているんだ、全くわからない」


 捕まった冒険者は震える声で答えている。

最後までお読み頂きありがとうございます。


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