表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/33

第22話 借金 5374万3490ゴル

「さあ、残りは1匹だよ。」



テレージアが2匹を間引き、ニクラスと魔狼が1対1の状況になった。


テレージアは少し離れたところで腕を組んで静観している。


心配でしょうがないのか、なんだかモジモジ?しているが。



「がんばるっ!」


旋風刃と風衝の盾を構えるニクラス。



魔狼のステータスは、ニクラス本来のステータス値の約5倍。


普通なら絶対に勝てない相手だ。


でも、装備の補正で素早さはほぼ同等、攻撃力と防御力は圧倒的にニクラスが高い。



「ガァッ!!!」



距離を詰めて飛びかかってくる魔狼。


自分よりちょっとだけ速いが、もっと速くて強いテレージアと特訓してきたニクラスに対応できない速さではない。



「はっ!」



落ち着いて魔狼に剣を合わせる。



「ギャンッ……!」



魔狼の身体は大きく切り裂かれ、地面に倒れた。


だが、まだ生きているようだ。


ニクラスは油断せずに、確実にトドメをさした。


テレージアから耳にタコができるくらい教えられたから。



「戦いの時は冷静に、そして冷酷になれ。

 相手を倒すまで気を緩めるな。」




『レベルが上がりました。』




************


名前:ニクラス

Lv:4→5

HP:200→250

MP:20→25

体力:20→25

力:20→25

素早さ:20→25(+80)

器用さ:20→25

魔力:20→25


************


武器:旋風刃

防具:皮の鎧

   風障の盾




「レベルが上がったよ!」


「ふうぅ…。

 大丈夫だとわかってても、やっぱり心臓に悪いわ…。


 ニクラス!

 がんばったね!」


「テレージアさんに鍛えてもらったから、これくらい余裕だよ!

 次に行こう!」


「油断はしちゃダメだよ?」


「うん!」



倒した魔狼をマジックバッグに収納し、先に進んだ。



この階層では他に目が血走った熊や交戦的でマッチョな蛙のモンスターなどが出てきた。


レベルでいうと、10〜14の間のモンスターたち。


レベル5のニクラスにとって全て格上の相手。


経験値がたくさん入り、1階層を探索している間にレベルが7つ上がった。




************


名前:ニクラス

Lv:5→12

HP:250→600

MP:25→60

体力:25→60

力:25→60

素早さ:25→60(+80)

器用さ:25→60

魔力:25→60


************


武器:旋風刃

防具:皮の鎧

   風障の盾




レベルが上がるペースは順調どころか異常な早さだが、いかんせん上昇値が少ない。


下級職以下なのである。


だが、経験値はレベルが基準なので、高レベルになればなるほどニクラスはレベルをあげにくくなる。



「自分たちを守れる強さがあればいい。」



そんなニクラスにテレージアはそう教え続けてきた。


ニクラスも、今の幸せな生活を守り続けられればいいか、と思う気持ちもある。



だが!



レアアイテムを手に入れるには冒険が必要だ。


冒険したい!!という欲求の方が圧倒的に勝っているニクラスは、強さを求めていた。


それには、旋風刃などのように、強力な装備やアイテムが必要なのだ。



レアアイテムを手に入れるには強さが必要で、強くなるにはレアアイテムが必要。


この無限ループが、ニクラスにとっては最高の幸せであった。



「1階層はここまでね。

 今日はそろそろ帰りましょう?」


2階層への階段まで辿り着き、テレージアはニクラスにそう提案する。



しかし、ニクラスはダンジョンに入る前に脳裏に浮かんだアイテムがどうしても気になった。


もう一度浮かんだ光景を思い出す。


ふと、手につけた腕時計の時間が目に入った。


今から1時間後。


このまま引き返したら、ダンジョンの外にいるであろう時刻。



「テレージアさん、お願い。

 あと1階層だけ行かせて?」


「ニクラス、無理は禁物よ?

 今日は初めてのダンジョンなんだし。」


「そうなんだけど…、ダンジョンに入る前に【予知者】の予知のようなものが見えたんだ。

 ここでいいアイテムを手に入れられそうな…。

 それを確かめるためにも、行かせて欲しいんだ。」


「う〜ん。」


結局ニクラスに甘いテレージアが折れて、2階層まで行くことになった。


おそらく予知を見ていなくても、2階層まで行ってただろう。


だって、全然満足できてないから。



「よし、2階層に行くよ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ