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第21話 借金 5374万3490ゴル

500万もする粗悪アイテムを掴まされ、借金が増えたニクラス。


返済も生活費もほとんどをテレージアに頼り切っていた。


しかし、テレージアの脛をかじる生活も今日まで。



14歳になった今日、ダンジョンへの冒険が解禁されたのだ!


この日のために、剣術をテレージアに習ってきた。


テレージアが依頼をこなしてる間にも、必死で訓練をした。


自分で戦うために。



一方、【予知者】の能力にはあまり変化がなかった。


今まで危険を察知してきたが、テレージアと住んでから今日まで命の危険を感じるようなことはなかったのだ。


嫌がらせのようなことはあったが、1人で生きてきた時に比べれば全く大したことはなかった。


つまり、幸せな生活だった。



そして今日、アイテムを手に入れられるかもしれないダンジョンへの冒険が始まる。


楽しみすぎて、昨夜はあまり寝れなかったほどである。




2人はクレンカの町の近くにあるダンジョンへ出かけた。



「おおおーーー!!!

 これがダンジョン!!!」


「そうだよ〜。

 危ないから、私のそばを離れないでね?」


テレージアの話し方はニクラスに対してだけ、こんな感じになっている。


正確に言うと、元々ぬいぐるみに話しかける時も優しく話しかけていた。


「うん!」


ニクラスはダンジョンの入り口でまだ見ぬアイテムに思いを馳せる。



—その時。



「うっ!?」



アイテムを手に喜んでいる自分自身の姿が脳裏に浮かんだ。



「ど、どうしたの?

 ニクラス、大丈夫??」


突然頭を抑えてうめき声をあげたニクラスを心配するテレージア。


「だ、大丈夫…。

 なんか、アイテムを手に入れた自分が急に頭の中に浮かんできて…。」


「大丈夫なの?

 今日は帰ろう?」


しかし、驚いただけで痛みは全くない。


それに、頭に浮かんだアイテムはなかなかレアなもので、逆にテンションが上がってしまった。


あんなアイテムを手に入れてみたい!そんな気持ちが止められないニクラスは、全力で首を横に振った。


「大丈夫大丈夫!!

 本当になんともないから、お願いだからダンジョン行かせて!?」


必死なニクラスの姿に、テレージアはふうっとため息を吐く。


「無理しないでね?

 辛くなったらちゃんと言うのよ?」


「うん!

 ありがとうテレージアさん!」


思わずテレージアに抱きつくニクラス。


「ニクラスってば…。

 可愛いんだから〜〜〜!!!」


ニクラスを抱きしめるテレージア。


もう14歳なので、そんなに可愛い!っていう歳でもないのだが、ニクラスが可愛くてたまらない。



「じゃあ行こうよ!」


「そうね!

 危ないから気をつけるのよ?」



ニクラスの初めてのダンジョン攻略が始まった。


冒険者ランクはニクラスがG、テレージアがDである。


今回行くダンジョンは、Eランク。


FランクからEランクのモンスターが現れ、Dランクのボスモンスターが最奥にいる。



ダンジョンに足を踏み入れてしばらくすると、真っ黒な狼のモンスター、魔狼3匹と遭遇した。



「2体は私が引き受けるから、1体倒してみる?」


テレージアが心配そうにたずねる。


「う、うん!

 やってみるよ!」


数年ぶりの戦闘に緊張するが、同時にワクワクする。


テレージアに鍛えられた剣が、どれだけ通用するか。



「グルルル……。」


ジリジリと近づいてくる魔狼。


テレージアが剣を抜いた…かと思った瞬間、あっという間に魔狼に接近して2匹を切り捨てた。



「さあ、残りは1匹だよ。」


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