人体パーツ
僕は、今朝宅配便で届いたこの商品にとてもワクワクしていた。ダンボールを開けると半透明なビニールに包まれていたのは女の子のような華奢な腕が2本だった。
先日ネット広告で偶然知ったとあるサイトで、元々は医療用の、体の一部が事故などにより欠損した人向けの人体パーツだったのだが、医療技術の発達はめざましく、今や特殊なクリームによって神経や血管を自動的に繋ぎ、自分の意思で動かし、着脱することが可能だという。
僕の遊び半分の注文は、現物を見るとただの遊びではなくなってしまった。すべすべとした肌は本物と見間違える程精巧に作られていて、思いのほかずっしりとしていた。
この人体パーツの使い方はこうだ。接着面に接着クリームを塗って、体の接着したい部分に押し付ける。すると30分程度で完了し、自分の体の一部になるというのだ。外す時は離断クリームを周辺に塗りこみ、30分程置いて、パーツの感覚がなくなったらねじりとると言った感じだ。接着離断ともに痛みは全くないらしい。
僕が注文したのは10歳の女児を想定した腕。僕は接着クリームを開け腕2本の接着面に塗布し、自分の体の脇下辺りにくっつけた。さっきまで血色の悪い真っ白だった腕が、みるみる血の気を帯びてリアルになっていく。自分の手と比べるとそれはそれは小さく、かわいい手だった。
30分程経つと、もうその人体パーツと自分の肌との境目はグラデーションのようにわからなくなり、新しく増えた僕の手からは、僕の人生経験で得たことのない感覚に包まれていた。文字通り脇腹から腕が生えている感覚があり、次第にそのパーツの操作に慣れていった。
立ち上がってみると、腕2本増えた分上半身に重さを感じた。気をつけの姿勢をとると、元々の自分の手が彼女の手をちょうど包み込んでいた。
服を脱いで、浴室に入ると僕はその小さな手で肉棒を握り始めた。