おいC
朝目が醒めるほどの衝撃がきた。
ドガッ
「う、またか。。。」
それは、以前体験したことのある痛みだった。
「…い、いい加減その寝相どうにかしろよ。。」痛いがどちらかと言うと呆れる方が強かった。
「あんたが毎回毎回あたしに迫ってきてるのが悪いんでしょ!」
「なんでベッドで寝てるお嬢様が床で寝てる俺のもとに来てるんですか?」
「そ、それは、、、」向こうを向いてしまった。
ともかく、昼にはリンとギルドで待ち合わせしているのでギルドに早めにいくことにした。
ギルドに着くとジイアが迎えてくれた。だが正直こっちとしてはよくもなにもなかったのように迎えられるなと感心した。
先日リンを仲間に加えたことに歓迎をするためにパーティをした。もちろんジイアのおごりだと雰囲気で思ってたし、ジイアがガンガン注文するからさすが大人な対応だと思ってたのだが、会計になった途端
「ゴチになるぞ!」と訳のわからないことを言い始めた。
ジイア曰く、薬草の報酬やったんだからそっちから出してくれとのこと。。。
「そのくせに自分から注文ガンガン頼むのか。。。」ボソッと言ったつもりなのだが、
「今からそれくらいできなくてどうする?、そんなことでは将来不安だぞ。」
「話が噛み合っていないような。。」
そんなことを言い合って、結局俺のお財布から出したのである。
「リンもきてないことだし、今のうちに簡単な依頼探すか。」
「そうだね、装備もアレだし簡単なのしかできないもんね」
クエストボードを見るといい感じなのがあった。
>>>>>>内容<<<<<<
スライムの討伐 詳細
農村の食物倉庫が毎年春になると、スライムが食べに来るので討伐もしくは撃退。
「お、これ良さそうじゃん!」
「えっいきなりスライムいくの?大丈夫?」不安そうな顔で尋ねてきた。
「まあ、スライムくらいならいけるべ!」
「ならいいけど。。。」
リンが来たようだ。
「ちょうどよかった。。今から依頼受けて農村まで行こうぜ」
「私は健二さんについていきます」 アレ?なんでそんなニュアンスなのだろう?少し顔も赤いし大丈夫か?
「じゃあ、さっそくしゅっぱつね!」
以外にも商店街からは、そう遠くなかった。せいぜい3キロあるかないかくらい。
「お前ら、この村には何の用できたん↓だ?」 少し訛りの入っていた。
「スライムの討伐の依頼を受けて来た冒険者だ」
「お、冒険者様だったのか、すぐに来てほしんだ」とても友好的で印象がいい。案内される道中やっぱり村と言うことで炊き出しでもやるのかでかい鉄鍋に蓋、オタマまであって微笑ましくなった。
中の食物倉庫につくと、まるで待っていたかのようにスライムが1匹、2匹と出て地面から湧き最終的には五匹になった。
サイズは50センチくらいだろうか。どうドラゴン系RPGに出て来そうな可愛いサイズだ。
「おし、やるぞ!」この掛け声を合図にニアが走り出しスライム1匹に果物ナイフで斬りつけた。
だが、全くダメージが通ってないように見える。
「やっぱり、スライムだけあってダメかぁ」
チラッとリンを覗き怪力でなんとかしてくださいとアイコンタクトをとった。
リンは恥ずかしそうにしたが頷きその瞬間に目つきが変わった。
「やっぱり、怖いな ボソッ」
「オラ!」リンの怪力で殴ったらスライムは吹き飛ばされただの水になった。
「おお!やっぱりすごいね!ガンバレ〜〜」
「さすがと言えばいいのか。。。どうなんだろ」
リンは立て続けにスライムを殴り飛ばし、結果的にのこり3匹になった。
おやっスライムの様子が。
3匹が合わさり2メートル近いでかいスライムになった。
リンが攻撃して吹き飛ばしてもまた集まり元に戻り、
みんな(俺も含む)が焦り始めた
「なにか対策があんでしょ?こうなったら打撃とか効かないし。。」ニアが言った。
「え?そうなの?」
「なにかあるから、スライムなんて相性最悪の依頼受けたんじゃないの?!」
「そうゆうことははやくいっry」
どうする?もう打撃は効かないのはわかった。斬りつけるのも無理。魔法とかうちの
メンツにはできるのいないし、逃げると言ってもさすがに申し訳ないしな〜。
「どうすんだよ!攻撃きかねーぞ!」リンがイラついている。
困ったな。。。スライムは水だから乾燥させればワンチャンだけどそんなもんないし。。。
ん?そう思えば水なんだったらアレいけるんじゃね?
「大至急途中であったでかい鍋持って来てくれ!」
「え、でもなぜ?」訳が分からなそうな顔の村人に言った。
「いいから早くしろ!リン!今から来る鍋でスライムを閉じ込めたい!」
「わかったけどどうするんだ?」
「鍋にスライムが吹き飛ぶように殴ってくれ。ニアは、蓋をすぐさま被せられるように待機!」
「うん。わかった!」
「持って来ました!」
「カウントダウンするから合わせてくれ!」
「「任せろ!」」
「3、2、1、今だ!」
見事としか言えない手際の良さでリンが吹き飛ばし、ニアも完璧に合わせ蓋をする。
「おし、あとは任せろ!はーいみなさん火をつけてくださーい!」
『!?!?』スライムの気持ちが手にわかる。ニヤつきが止まらない。
上手にできました〜〜〜。
それはとてもうまく煮込まれ先ほどのスライムとは思えないほど美味しそうなスープになっていた。
あのスライムはここの村に来る前に他の野菜や家畜を襲い、吸収していたようだ。
俺らの宴が始まる!!
村の人たちと俺らは円になり、スープを食しにぎやかな時を過ごした。
こうして、スライムは食べることができると広く知られるようになったのは
別の話。