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やっと話が動いてきた

俺はサッサと昼食を済ませると、

自宅へと帰っていった。

「ただいま。」

「お帰りなさい、お疲れ。」

家に着くと、一番に出迎えてくれたのは母さんだ

った。俺は母さんの横を抜けるように通り、二階にある自分の部屋にこもって、一眠りすることにした。

……………

………ここは…どこだろう………

あたりを見回そうとしても、

体が言うことをきかない。

そもそも自分の体を見つけられない,

おかしなことに体は無いのに立っているという感覚だけはあった。

するとどこからか声のような音が聞こえてきた。

「わた……た………時……い…。」

「た………し…ゆ…………あ…………。」

「なんだって?よく聞こえないよ。」

そして、その声を聞こうと思えば思うほど、

どんどん自分から遠ざかっていくのがわかった。

まってくれ…君は誰だ…ここはどこだ…?

薄れゆく意識の中で何かに捕まるようにしてその場でもがいた。

ドスンッ‼︎

いっっってぇなぁ…。

どうやらベットから床に落ちてしまったらしい。

悪い夢でも見たかなぁ?でも、あの声ははっきりと聞こえてたはずだ…。

「お兄ちゃん、ご飯だよー。」

下の階から妹の声が聞こえてきた。

「分かった、今行く。」

急いでスーツを着替えて私服へと変身した。

俺の妹の蟋蟀春香は今年で中学卒業となる。来年は一家で変化のある年になりそうだ。

部屋を出る時に、部屋の置き時計を確認すると、すでに7時を回っていた。

1階に降りると、父さんも仕事を終えていたようだ。今日は両親の結婚記念日なのでテーブルの上にいつもより豪華な料理が並んでいた。

私の両親はこの都心の一角に小さなパン屋を構えていた。これは俺が生まれてきた時に買ったものだと聞いていた。今は俺と春香、そして両親の4人で暮らしている。一戸建てとは名ばかりで、パンの製造から販売までこなせるように、パンに関する機械や、作るためのスペースのせいで1階は半分以上が埋まっていた。

ピッ

「政府は、いつでも逃げ込めr…」

ピッ

「でねぇー、その時私はt…」

ピッ

「臨時速h…」

「おい、春香。そんなに変えるんだったらテレビ消せよ。」

「分かったわ、別に見たい番組もなかったしね。」

テレビの音が消えると家の中は4人もいるというのに静かになっていた。

母さんは最後の料理を持ってくると席に着き、

いただきますのポーズをした。

「じゃあ、食べるとするか。」

父さんがそう言ったその時、母さんはテーブルの上にマヨネーズがないことに気がついた。

「あら、切らしちゃったかしら。後で買って来なくっちゃ。」

「すぐ近くのコンビニに速攻で行って買ってくるよ。どうせこっからコンビニまで行って戻ってきてもせいぜい5分ぐらいしかかからないし…」

自分でも分からないがなぜかその時はなぜかノリノリで言っていた。

「じゃあお願いするわ。車には気をつけて行ってらっしゃい。」

「こっからコンビニまでの道のりに横断歩道なんて一個もないから、死にはしないよ。」

「あー、フラグ立ったぁ!

ありがとうお兄ちゃん、春香はお兄ちゃんのこと 一生忘れないから…(グッ)。」

「グッじゃねぇよ、そもそもフラグなんて立ちません〜。このオタク娘が。」

こんな他愛もない会話をしながら、外へ出かける準備をしていた。

そして俺はコンビニへと1人で出かけて行った。 ……………………

「ありがとうございました〜。」

俺はマヨネーズの入ったマイバックを片手にコンビニを出た……瞬間…………。

俺は死んでしまった。

死因:マヨネーズ

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