この世界の不思議
ネット小説の改行はよく分からないです。どこで切ればいいのかさっぱり。
俺の名前は蟋蟀裕也23歳、学生。
今年でやっと大学を卒業する。今は実家で両親と1人の妹の計4人で暮らしている。この世界がおかしくなったのは、今からだいたい5年前くらいになるだろうか。ある無名の新人が書いた1つの作品が世間で話題となっていた。
題名は確か…、
「異世界転生した俺のハーレム計画」
とか言ったかな。
全てを通して読んだことはなかったが、当時その斬新な題名と異世界転移という新たなジャンルは爆発的な人気を誇った。
あまりにもおかしな題名をつけるもんだから随分とメディアにバカにされたりもしたが、
それは全6巻ながらも実に1千万部を優に超えるミリオンセラーとなっていた。
確かに題名がおかしくはあったが、
内容としては子供から大人まで読んでいて楽しめるもので、当時高校生だった俺も、本屋で立ち読みしたり、その本の好きな友人からよく内容をネタバレされたりして知っていた。
こうして異世界転生が一大ブームとなり、異世界転生ものの小説や漫画は爆発的に増えていった。しかし今度は、異世界に行ってきただの、
異世界からのきただのとおかしなことをいうものが出てきた。
俺はあまり驚きはしなかったが、その数は次第に増していき日本に行くと狂人になると、根も葉もない噂が流れたりしていた。
俺は家に帰る途中のコンビニでおにぎりを買って軽い昼食を済ませていた。コンビニの中の食事スペースに座りながらガラス張りの壁の向こうの大通りを見ていた。
やはり最近はもう日本人だけという訳にもいかない。もちろんこれは日本人の他に外国人がいるというわけではない。
そう、日本には既に多くの異世界人が住んでいた。当時はバカにされ相手にもされていなかったが、国内の行方不明者は日に日に増えていき、逆に異世界側から来た身元不明の者も次第に多くなって行ったからである。
さらに異世界が確信的になったのは3年前だった。空に大きな穴が出現してからだろう。その穴は別にどこかとつながっているわけでも無さそうだったが、残りの異世界に否定的な意見を持っていた科学者や人々を黙らせるには十分すぎる代物だった。未だに異世界人の権利や異世界の存在への問題は山積みのようだ。
そしてその穴は今では6つにも増えていったが、別段変形させたり、
こちらの世界に直接的な干渉をしてきたりすることはなく、
只々その場で渦巻いているばかりでだった。
こうして今や異世界転生は当たり前となり、街には異世界人が溢れるようになった。