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【心話傍受151226】今回のこれはなんか大事な気がするから大事ってラベルつけておきますね【ラベル:獣国 獣王 大事】

獣王『へぇ。意外と簡単に心は繋がるものだね』

正井『これはこれは。陛下におかれましてはーー』

獣王『構わないよ』

正井『はい?』

獣王『どうせお飾りの王だ』

正井『……』

獣王『帝国生まれの君にはわからないだろうけど、とうの昔に傀儡だよ』

正井『それは、いつから?』

獣王『三、四代前かな』

正井『それは……』

獣王『商会にはうまく隠しているんだろう? でも、私の命令はつぎはぎで矛盾しているはずだ。それもそう、各勢力が自身の利益のためだけに王の名で発しているものだからね』

正井『……それでは、なぜ私と繋がろうと?』

獣王『誰の傀儡になるかくらいは選んでみようと思ってね。今更だけれども』

正井『獣国の手先機関である商会が、あなたを操ると?』

獣王『違うよ。君に期待した』

正井『……なぜ?』

獣王『落とし所を探してきた。ずっと。でも、自身の利益ためだけを考えている彼らが納得する一点はあり得ない。あちらを立てればこちらが立たないからね。この国はもう駄目だ。次代がいない。血が近すぎては子が生まれない。でも、他の家の血を入れられない。勢力の境界線が崩れるからね。それに期待したこともあった。でも、私自身の妻さえ選ばせてもらえない。誰でもいいと思ったこともあったよ。だが、自分の魔法に幽閉されているようなものでね。適当に誰かを襲うことさえできやしない』

正井『それで、どうして私に?』

獣王『彼らは自分の利益しか見ない。誰も、国のことなど考えていない。でも、君たちは違うだろう? 商会は富国を信条としているのだから。その中でも君の描く世界は独創的だ。この国にない先見がある』

正井『……』

獣王『この国は終わりだよ。先の皇帝なんかは冷酷でね。もう使者さえ送ってきやしない。王国もそれに倣っている。まぁ、彼らの手を取らなかったのは私だ。取れなかったというべきかな』

正井『それは』

獣王『風船が手紙をつけて飛んできたんだよ。私の目の前に落ちた。まだ見ぬ友人へ、あなたの孤独も救いたい。心を繋げて。と書いてあった。焼き捨てたよ。間違いだった。でも、手を伸ばす勇気はなかった』

正井『それが』

獣王『風船の由来を調べたんだ。帝国から、それも帝城から飛んできたものらしい。私から先に払いのけたのだから王帝からそっぽをむかれても仕方ないね』

正井『……』

獣王『済んだ話だ。どうでもいい話を聞かせて申し訳ないね。でも、こちらにはこんな話をできる人もいない。参るよ』

正井『……』

獣王『皆、自分のことばかりだよ。こうしろ、ああしろ、そればかりでね。それで、私を傀儡にするのは君にとって魅力的な提案だといいのだけれど』

正井『……』

獣王『私が生きている間という期限付きだけどね。困ったことに、彼らは私の後につくことばかりを考えているものだから、そのうち本気で暗殺をしてきそうだ。技団という組織がこちらにいないことを嬉しく思うよ。彼らは自分で手を汚すほかないのだから、今はまだ躊躇っている。その準備を使ってまで、まさか彼女を狙うとは思ってなかったけれどね』

正井『エロイーズを?』

獣王『そうだ。愚かなものだよ。上級悪魔が怖くないのかね』

正井『どうして、孫なんです?』

獣王『その質問だけは用意していたのかい?』

正井『えぇ』

獣王『亡くなった妃がいたろう。彼女は一回だけ出産した。その娘が異世界に行って産んだそうだよ』

正井『他人事ですね』

獣王『何もかもね』

正井『それで、あなたの理想の国は?』

獣王『それを考えるのが君の仕事だろう?』

正井『それでも、一致がないと共に叶えられません』

獣王『平和な国がいいね。今みたいにいがみ合うのは大変だ。でも、近くに敵がいないものだから仕方ないね。魔導施設は国を守るけれど、その分、魔物も敵になりにくい。困ったものだよ』

正井『それから?』

獣王『子どもが希望を持って未来を語れるといい。エロイーズに言われたよ。私が子どもを持っても、彼女が子どもを持っても、次の子を産めと責め立てられる。なら、いっそ王がいない国づくりをしたらいいって。共和制だとか民主主義だとか言っていたけれど、それもなかなか実現が難しそうだ。まぁ、犠牲者を私で終わらせろというのには賛同するけれどね』

正井『つまり、』

獣王『理想論だろう?』

正井『いえ。それは、私の理想と被るところがあります』

獣王『そうか』

正井『他人事ですね』

獣王『これでも、久々に感情が動いているんだよ。彼女のおかげで久々に王宮の外に出た。彼らは突発的な大事には私の判断を仰いで、私のせいにするからね』

正井『話を詰める必要があります』

獣王『理想の未来の?』

正井『それもですが、あなたは何ができるのか』

獣王『お飾りの王にどこまで実権が残っているのか』

正井『そうです』

獣王『手を取ってくれそうで安心したよ。次の皇帝がどう出るのか未知だからね。彼の人は一応、無関心という友好を貫いてくれたけれど』

正井『そちらも直に話し合いましょう。あるいは、あなたの孫娘を頼るか』

獣王『彼女に?』

正井『彼女は皇帝と友人として心話を繋いでいます』

獣王『誰ともでもすぐ仲良くなる娘だね。しかし、それは周知の事実なのかい?』

正井『舞踏会で真正面から求めていますから、誰もが知っていますよ』

獣王『それはまた。まぁ、君と心話を繋いでいるくらいだからね』

正井『意外性の人ですよ。情報も異様に早い。それに、あの上級悪魔はただものじゃない』

獣王『そう、魔導施設を修繕してくれるらしいよ』

正井『……なんでまた』

獣王『この国を崩壊させないために必要なんだって言っていたけれど、それくらいの危機がないとこの国はもうまとまらない気がするけれどね』

正井『しかし、本国が崩れればこちらもただではすみませんから』

獣王『外貨獲得がうまくいかなくなって総崩れだと? でも、その危機が必要なんだと思うよ』

正井『……』

獣王『まぁ、そんな荒治療をしたら、彼女は怒るだろうけれど。どこかで賭けに出ないといけないのは間違いない』

正井『無闇に仕掛けるのは得策ではなさそうですが』

獣王『今はね。いつか大きく状況が変わるよ。彼女は間違いなく予知にある幸福の子だろから』

正井『その話も詳しく聞かせていただく必要があるようですね』

獣王『そのうちに。体調管理のためと銘打って魔力量を測られているんだ。誰かが心話で抜け駆けしないようにね。あの娘と心話を繋いだから、ある程度は誤魔化せるけれど、ほどほどにしておかないといけない』

正井『それは……またご苦労がおありで』

獣王『サイラス君が遊びにきてくれたらま誤魔化しやすいのだけれど、この前来たところだからね』

正井『反転の里の離脱者……でしたか』

獣王『私の壁を定期的に壊しに来るんだよね。火力はなかなか上がってきているんだけど、彼は一直線だから壊すまではいかないだろうね』

正井『……陛下の壁を壊そうと思えば、内部のプロテクトから破壊しなければならなかったのでは?』

獣王『そうなんだけどね、彼は派手にそれごと一気に破壊したいらしいんだよね。遠回りは嫌いらしい』

正井『それは……不可能なのでは?』

獣王『どうだろう。孫娘には制御権を奪われたから、彼もそのうち崩してくるかもしれない』

正井『……』

獣王『昔は挑んでくる者も多少はいたけれど、最近は彼くらいしかいなから面白くないよ』

正井『……』

獣王『あぁ、話し込んでしまった。それじゃぁ、これからよろしく、マサイアス君』




獣王『まだ起きているかい?』

嫁『はい! 寝れなくて考え事してました』

獣王『今まで心話をしていたことにしておいてくれないかな』

嫁『いいですよー。誰かに聞かれたらってことですよね。なんの話してたことにします?』

獣王『そこまで決めておいた方がいいかな』

嫁『いいと思いますー。こういうのは細部が大事です。経験上』

獣王『ちなみに、何を悩んでいたのかな』

嫁『生活魔法がうまく使えないこととかー、あと魔法学校の先輩が無理そうな恋をしてるので、わたしに何ができるかなーとか。あと、ちょっとこれ言っていいのかわからないんですけど、帝国絡みでちょっと人が死にそうで、どうしたらいいかなーとかです』

獣王『恋か』

嫁『おじいちゃんはおばあちゃん好きすぎて他の人と結婚できないって解釈でいいですか?』

獣王『まぁ、そういうことになっているね』

嫁『違うんだ……』

獣王『じゃぁ、生活魔法のアドバイスをしていたことにしようか』

嫁『露骨に話を逸らされた……』

獣王『どの魔法が苦手なのかな? 浄化、料理、いろいろあるけれど』

嫁『全部です! 一番困っているのは浄化魔法ですけど、レー君が代わりにやってくれるの役得だし別に使えるようにならなくてもいいかなーって感じでー』

獣王『用を足した後も?』

嫁『それは嫌っていうか駄目人間すぎるので、誠意努力中ですー。五回に一回には成功するので回数で誤魔化してます。失敗で魔力ゴリって減るからコスパ最悪なんですけどー』

獣王『まぁ、こういうのは回数だからね。幼少の時からやっているから皆使えるのだし』

嫁『だから、誰に聞いても感覚が違うんですよね。汚れを地面に置く感覚っていう人もいれば、消滅せよって強く思ってる人もいてー。一番酷いのは、消えろ以前にどうでもいいと思ってるからスッと浄化して消すとか言っててなんの参考にならなくて』

獣王『そう比べてみると面白いね』

嫁『おじいちゃんはどんな感じです?』

獣王『汚れと肌の間に魔力を差し込んで剥がす、かな』

嫁『あーそれ今まで一番想像しやすいかも! 今度それでやってみます』

獣王『役に立ったのなら良かったよ』

嫁『で、マサイさんとどんな感じだったか聞いても大丈夫なら一応聞いておきたい気持ちがあったりしますけど聞かせてもらえたり?』

獣王『まあ、普通かな』

嫁『普通ですかー。さっき、マサイさん、おじいちゃんとわたしが似てるって言ってきましたー。頭痛がするから今日は何も考えずに寝るって』

獣王『普通に話しただけだけどね』

嫁『うん、でも、わたし、マサイさんと話したらやり込められるから、おじいちゃんが押しててすごいって思ったかも! スッとした!』

獣王『一方的に話してしまったかもしれないね』

嫁『気にすることないと思いますよー。マサイさん、いろんな人と普段から話してるから、そういうのも慣れてるだろうし』

獣王『そうかな』

嫁『あ、長々となっちゃった! ごめんなさい。おじいちゃんと話せたから、わたしもちょっと寝れそう。ありがとう〜』

獣王『……』

嫁『おじいちゃん?』

獣王『なんでもないよ』

嫁『それならいいですけど。何かあったら言ってくださいよー。何もできないかもだけど! それじゃぁ、おやすみなさい〜』

獣王『おやすみ』

会話って無限に生成できるからやめどき見失って困る。

あとこの二人は、「大事」「重要」「機密」とか無節操にタグ増やして、後から「あの会話見つからないんだがー」とかやるやつ。

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