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血の兄弟ーローマ教会の秘宝  作者: F.Y.ホルムスキー
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Freatheric 2

長い間生きてきて、こんな出会い方をしたのは初めてだった。たいてい僕が吸血鬼に会うのは戦場の死体の血を失敬するときだけだ。しかも、皆、兵士が持つ十字架に気をつけながら黙々と死体をあさっている。時々いざこざが起きて、吸血鬼の死体が二つ、三つ転がる。さらに奪い合い、死体が重なる。そして、それらもやがてなくなる。

 吸血鬼は単独行動が基本だ。害されない限りは互いに干渉しない。たいていは、一般的には、普通は...。そこまで言うのには訳がある。これから僕は異常行動に出るつもりだ。つまり、あの吸血鬼を探す。

 僕にしてみれば、彼は子供の域に入る。人間に紛れ込めてはいないだろう。街はずれの暗く、じめじめしたところに住んでいるはずだ。念のため、十字架を持っていく。自分がエジプト人で良かったとつくづく思う。手土産を持っていくべくだろうか。そこらへんの猫一匹でも持っていこう。


 いかにも吸血鬼が住んでいそうな街はずれに来た。この感じは、自分も昔は―1000年前くらいまで―好んだであろうものだ。

 しばらく歩くと、わりと立派な屋敷があった。つたがはった柵は足で軽く蹴ればすぐ開いた。荒れた庭を横切ると掃除を全くしていない玄関―。相当な怠け者だ。

 ノックしようと軽く叩くと開いてしまった。ちゃんと閉めてないのかよ。

 不在ではないだろうが、家は静まりかえっている。そして、正午近くなのに日暮れのような暗さだ。

 急に背中が痛くなり始めた。壁を見るとトト神の絵があった。そういう趣味は全くやめてほしいものだ。

 さっさと通り過ぎて奥の部屋の前まで来た。かすかな呼吸の音とアルコールの匂いがした。

 部屋をのぞくと彼が倒れていた。

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