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刑務所

11月14日

事故は避けられなかった。

信号のない交差点から飛び出してきた小さな自転車。

鉄の音と回り続ける車輪。

人生が大きく変わった瞬間だった。


12月2日

ゆかこは裁判所で判決を聞いた。

左足の膝下からの切断。

この国では人を殺したものには手足の切断が行われる。

殺人では手を、過失致死などの場合は足を切断される。

刑務所内では、呻き声が絶えない。

手足を無くしたものが痛みに耐える声である。

ゆかこの刑の執行は判決一時間後に行われた。


12月22日

治療の落ち着いたゆかこは独居房から2人部屋に移動となった。

ここには義足などはない。

移動は壁を伝いながら残った右足で歩くしかない。

同じ房には右手を肘の上から切断されたはるかと一緒になった。

はるかは不倫をしていた夫を殺した。

包丁で滅多刺しにしたあげく、庭に埋めた。


12月23日

はるかが別の部屋に呼び出される。

二時間後、ふらふらとした足取りで戻ってきた。

はるかの中には大量の精子と共に、性病も一緒に。


12月25日

はるかが熱を出した。

発症した性病が容赦なく体を蝕んだ。

6日後、息を引き取った。

この国には、法律で記載されたルールと記載されていないルールがある。

手足を切断することは法律内で書かれている。

だが、刑務所内の不文律がある。

男は性病の女を、女は性病の男をあてがわれる。

刑務所から出る最後の戦いである。

これに耐えられた者だけが一ヶ月後に刑務所を出られる。


2月12日

ゆかこが別の部屋に呼ばれたの日、初めて男と行為を行った。

前戯などない行為は痛みしかなかった。

処女はこうして失われた。

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