嫌な予感というのは当たるもの
さぁ、駅に着いたので、Suicaを使って改札を通った。でも、なかなか、優希は来ない。どうしたのかなと思って後ろを見ると、優希が改札を通れずに困っている。しまった、SuicaかPASMO持ってるか聞き忘れてた。俺は、優希の方へかけていく。しかし、もう遅かった。次の瞬間、優希は改札を飛び越えてやって来た。
「??」
「おい、そこの人!何やってるだ!!」
駅員が怒鳴る。まぁ、そうだろうな。
優希は……
「??」
状況を理解出来ていないようだ。一体どんな環境で育ったらそうなるんだよ。
「優希、今のは凄くまずいよ……」
「なんで?私は和樹と同じことをしただけだよ?」
「僕は改札を飛び越えてはいないよ?ちゃんと中を通ったはずだよ?」
「だって、私にはそれが出来なかったんだもん。」
駅員が、やって来た。
「お前達何やってるだ!」
また、怒鳴る。五月蝿い。耳元で叫ぶな……
「もう少し静かに話せねーのか、糞爺。」
おっと、口が滑った。
「改札を飛び越えるからだろ!」
まだ騒ぎますか。
「騒がしいから、もう少し静かに話せ。というか、一回落ち着け。話はそれからだ。」
「¥※$#!!」
「とうとう、発狂したか。元から発狂仕掛けだったからな。」
俺が少し挑発したら発狂した。バカだろ。つーか、どうせ五月蝿いや。俺はその場から離れるためにも、他の駅員のいる、窓口に急いだ。
「優希〜、こっちだよ。」
「う、うん。」
優希がその場に突っ立ていたのでこちらに来るように声を掛ける。もしかして、怖がられたかな。失敗した……
「和樹、さっきはどうしたの?」
「あー、ごめん。怖かった?俺、うるさいのが大嫌いなんだよ。」
「そうなんだ。覚えとくね。」
「有難う。」
よかった。
そんな話をしてると窓口に着いたので、他の駅員と話すことにした。
「すみませーん。駅構内で発狂しているおじさんが居まーす。うるさいのでどうにかしてくださーい。
後、さっきの改札を飛び越えてしまった話もしなければいけないんで。」
すると駅長が出て来て、
「そうだね。おーい、君、あいつを止めて来てくれ。」
「はい。分かりました。」
駅員は、発狂している駅員の所へ駆けつけた。発狂している駅員は、まだ叫び続けていた。
「ところで、なんで飛び越えたりしたんだ?」
「通れなかったから……」
「何か入れたり、タッチしたかい?」
「いえ……というよりも、何か入れたり、タッチするんですか?」
「それも知らないんだ……」
「電車は初めてかい?」
「はい……」
「えっ……」
マジか。
「なら、今から教えてあげるから、今度から改札を飛び越えるのはやめておくれ。」
「はい……お願いします。」
本当に、どんな環境で育ったらこうなるんだ?