友達に成れました
今は、優希に研究室を案内してもらっている。
「それにしても、よくこんなに機材が揃ってるな。」
「一応、国が作ってくれたからね。」
優希によると、優希のただならぬ才能を見越した国が優希のために作ってくれたのだとか。その代わり、高校卒業までにノーベル賞取れなかったら国の研究を手伝うことになっていたらしい。凄い話だ。でも、まぁ、優希はノーベル賞を取ったわけで……
「ってことは、今は完全に優希のものってこと?」
「そうらしい。」
それぐらい理解しといて下さい〜。
まぁ、この際どうでも良い。
「ところで、他の方々は?」
「今日は休みにした。和樹と二人で話したかったから。と言っても、助手は二人しかいないんだけどね。」
そうだった。“話したい事がある”と言われてたんだった。
「話は変わるけど、話って何だったの?」
「和樹に今日から此処の研究所に来て貰いたいんだ。」
聞き間違ったようだ。
「えっ?」
「だから、和樹に此処に来て一緒に研究して貰いたいんだ。」
どうやら、聞き間違いではないようだ。
「俺にはそんなこと出来ないよ。第一、俺は普通の中学生だぞ?」
「大丈夫。和樹なら出来る。今の所私と理論を語り合える人は和樹以外いないんだ。やってくれるよね。」
真剣な目をしている。本気だ。だったら、選択肢は“やる”の一つしかなくないですか?
「俺なんかで良いなら、精一杯頑張るよ。」
「有難う。これから、和樹と研究出来るなんて嬉しいな。」
優希は凄く嬉しそうだ。
「それと、私と友達になってくれないかな?」
優希は唐突にそんな話をし出した。まぁ、タメ口で話している時点で友達の様な感じもするけど。
「俺なんかでいいなら喜んで。」
「やった。」
優希によると、頭が良過ぎて、友達が出来なかったのだとか。まぁ、頭が凄く良くて、おまけに容姿端麗なら近寄り難いわな。
「ということは、俺が友達第一号なの?!」
「そうだよ。」
ということで、何故か俺は優希の研究室で優希と一緒に研究することになりました。
日常の話はもうしばらくお待ちください。まだ、メンバーが揃っていないんです。