6.3
自己紹介を終えて、活動を見学することになったが、まだ他の部員たちが来ていなかったので文学部の活動内容を説明された。
主に校内有志で作る詩集への投稿と編集、あらゆる大会への参加、そして定期的に募集が行われる市民文化会館での作品展示を行っているらしい。小学生の時ではあるが、市民文化会館での展示は私にも覚えがある。
「とまあ、ざっとこんな具合かな。あとは散文や詩を書いたりお互いの作品を批評しあったりといい作品を出来るように毎日、ではないけど月水金で活動してる。んー、言い忘れたことないかな。質問はある?」
話し方がはきはきとしていて聞き取りやすく、けれど柔らかさも持っている声で、やはりかっこいいなと改めて思った。
「いえ、質問は今のところないです」
ただそんな個人的な感情は表に出さないようにして、答える。
「はい、とってもわかりやすかったです!」
彼女もそう答えると、先輩は「たはは」と顔を歪ませながら口を開いた。
「何だか、そー言われると困っちゃうね。いや分かってくれたならいいんだけどさ。偉そうなこと言ってたけど、私月曜日しかここ来てないし」
「あれ? そうなんですか?」
「うん。兼部しててね。ラクロスと放送部を一緒にね」
彼女が人差し指を顎に当てて顔を上に向ける。
「あー、確かに放送部のときにしてましたね。一人でしたけど」
「うん。放送部は兼部の人ばかりでね、みんなもう一つの兼部のほうに出てしまって。でも放送部も誰かがやらないといけないから、私がって感じ」
「そういう事情があったんですね」
「そういう事情があったんですよ」
言って、二人はまた笑いあった。
「放送部はね、放課後も活動することはするけどお昼とか自室でやれることが多いから兼部が多いの。どう、二人もやってみない?」
先輩は笑いながら私と彼女に問いかける。
私は迷った。文学部のことを知ってみようと来たところに放送部の情報がいきなり振ってきた。私が逃げて、でも本当は望んでいるものだ。
先輩のようになりたい。
あの時、まっすぐ勢いよく自分の力で進む姿を、先輩に見た。
同じ放送部なら同じようになれるかもしれない。あの時そう思ってしまった。
けれど、部活自体に入るかどうか迷っている自分を思い返し、それ以前の問題だなと悟る。
「いやまず文学部の部員として話してるのに放送部に誘うのはよくないね。うんこの話は無し。もしばれたら部長に怒られちゃうよ」
たはは、とまた軽い調子で先輩は笑った。




