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ブレイク  作者: 湯城木肌
20/48

5.4


 その日はその後二つの授業を受け、終った。彼とは話さず、ただ授業を受けてその日を終えた。


 彼に真意を聞き出すまでもない。


 彼はその後も変わらない調子で授業を受け、特別講習最終日も変わらない差を残した。


 後から聞いた話ではあるが、彼の成績を知った塾講師が、成績実績として残したいがため彼を無料で招待したのだという。だから、彼がパラパラ漫画を書いていても何も言わなかったのだ。



 彼は他人から臨まれて場に入り、奮闘することなく、頂点をとる。

 私は自分の意思で場に入り、奮闘を重ねて、手さえ届かない。


 私は心の中で納得した。


 これは私に対する試練なのだと。

 

 彼は優秀すぎる故に間違っている道を歩んでいる。

 私が彼を正さねばならない。


 これは避けられない闘いだ。彼は通らざるをえない障害なのだ。

 私は私の道を突き通せるか否か。

 それが私に問われている。


 ならば受けてたとう。

 私は彼に決して屈しない。屈することがあってたまるものか。

 


 そう志して半年を過ごし、私は高校入試に挑んだ。

 

 結果、入学式の新入生代表として、彼が壇上に立った。


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