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プロローグ
世界は転機を迎える。
恐竜が絶滅したように、地上の支配者が変わるような大きな転機があった。
それは眩いまでの光だった。
黄金の光は世界をくまなく覆い、ある変化を発生させた。
蟲の突然変異━━━いや、あれはもう異常進化とでも呼ぶべきだ。
何十何百年とかけるべき時間も、合理的な法則も、環境に合わせたなどといった理由も、それらすべてを無視して起こった進化は単純な結果を示した。
近代科学は死滅した。
人類の叡知は怪物と化した『蟲』は破壊し尽くした。
これは支配する側から支配される側へ堕ちた人類の物語。
九割以上の人間が死に絶え、僅かに生き残った者たちがもがき、安息の地を求めて━━━
彼らは『最強』を追い求めた。