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迷宮の王をめざして  作者: 健康な人
一章・鉄の王編
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現状確認

 意識の覚醒とともに急に視界が開ける。


 俺は生きているのか?

 毒蛇に咬まれるなどまさに不注意としかいえないことである。まあ生きているからよしとするか。


 そこまで考え今の状況がおかしいということに気づく。


 なぜ視界に入っているのが岩の天井なのだ。

 奴隷商に売られても、お人よしに助けられたにしろ天井が岩というのはおかしいだろう。

 そう思いとりあえずまわりを見回そうとして我に返る。


 明かりもないのになぜ天井が見える?




 考えても意味がわからん。


 そう思い立ち上がろうとして自身を見たときに今度こそ思考が停止した。


 体が骨になっていたのである。




 理由なんてあるのかどうかも怪しいが俺は骨になっても生きているらしい。


 それが男が出した結論であった。


 理由は知らんが死んでないなら幸運だ。

 これからどうするか?

 骨だけになってしまった以上人間の社会に戻るのは不可能であろう。この体では見つかった瞬間に討伐対象だし、強い人間に見つかったら出会った瞬間に蒸発させられるなんてことになるかもしれない。

 だが比較的安全な場所で死体相手に追剥業を営んでいた俺が死霊が生活していても問題ないほど人気のない場所など知っているわけもなく、そもそもそういう人気のない場所で何かに襲われでもしたら生き残れる自信がない。自慢ではないが俺は弱いのだ。

 

 考えれば考えるほどどうするべきかわからないな。


 そんなふうに考えていると遠くのほうで音が聞こえた。







 とにかく何かしようと思い音のした方向に来てみたらでかい蛇が死んでいた。


 当たり前のように金になりそうな部分はなくなっている。まあ残っていても使い道がないわけだが職業病のようなものである。

 つまりこのでかい蛇を倒せるやつが近くにいるということである。


 この蛇を見ていると腹が減ってくるな。


 この蛇を倒せるようなやつがいるならそんな事をより先に逃げることを考えるべきであるが本能に従って手を伸ばす。

 

 すると蛇の肉が急速に無くなっていく。

 そしてそれと同時に体に力が張っていく感じがする。


 この体の食事はこうなのか。

 などとずいぶんのんきに考えてしまう。


 自分が驚いていないことに少しだけ驚きながら改めてこれからについて考える。


 どうせ外に出てもすぐ死ぬだけならこんな暗い洞窟でもいいから好き勝手にやっていこう。


 

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