第四話 戦闘と実力
「今から試験を開始する。お前らには事前に配ったバッチを付けて貰う、これでお前らのクラスを判別することが出来る、そして戦闘不能かどうか判断している機能と自分の今のポイントが分かる機能が付いている。それじゃあお前らをこの島のどこかしらに転送する。ではお前ら死ぬなよ」
先生がそう言うと周りが転移魔法の光に包まれる
死ぬなよってそんなにやばい試験なのか……
そうして光が収まるとさっきとは別の海岸線にいた
「とりあえず見晴らしがよくて良かった」
さてこれからどうやって過ごそうか……とりあえず戦闘不能になってはいけないから身を隠す?いやそもそもとしてこの島にそういった場所があるかどうかも分からない……それに5日間も試験という名のサバイバルが続くのだ、なら無駄に体力を使うのはダメだ、それに食料も必要か……
「とりあえず海岸を歩くことにしよう、隠れる場所と魚が見つかるかもだしね。よしいこ……」
行こうとしたら目の前に男がいた、バッチをみるとBクラスの生徒だった
「ちっFクラスかよ……まぁ万が一気絶した時の保険に狩っとくか」
どうやらいきなり戦闘を吹っ掛けられた上に避けられないらしい。さてどうしたものか……実力を出すかそれとも出さないか……まぁ実力を出したところで魔法は使えないんだけども……
「探しましたよフュディー様、これどういう状況ですか?」
「あ、ユメさん、なんで私なんか探してたんですか……仮にもこれは試験ですよ」
「そんなことはどうだっていいじゃないですか、それで?この目の前の人間を殺せばいいんですか?」
「殺さなくていいです、なんなら手も出さなくてもいいです」
そう言うと目の前の男が話に割り込んで来る
「どうしたんだ?見たところその女はSクラスだろ?なんでそいつに頼らないんだ?その反応を見るにそいつはお前の従者だろ?」
「従者じゃないですよ、お友達です、それに魔法なんて使わなくても勝てますから」
そう言って私はそこらの人間がギリギリ出せるであろう速度で接近する
「は?」
間抜けな声が響いた直後、私はそのこぶしを降りぬき、殴る
「おおー思ったよりぶっ飛んだなー」
私に襲い掛かろうとした男の体は木々を数本なぎ倒し止まった、あれ生きてるかな……ちょっとやばいかも……まぁ人間はそれなりに頑丈だし大丈夫でしょ、重症でも精々骨が数本逝った程度だろう
そして男が気絶したのか私の持ちポイントが100から225に変わっていた
「……貴女ほんとにFクラス……というか人間なの?」
「はい、魔法の才能はありませんですからFクラスですし、ちゃんと人間ですよ。それじゃあ行きましょうか」
「やはり、フュディー様は魔王様の生まれ変わりとかなんですか?殴り方があの人と一緒ですし」
「たまたまじゃないですか?まぁそんなことは置いておいて隠れる場所を海岸沿いで探しましょうか」
「そう……ですね」
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《ユメ視点》
さっきの戦いを見て分かった彼女フュディー・ミルフィユリは普通の人間ではない、そもそも最初からおかしかったのだ、普通の人間なら私が魔族だと分かった瞬間に殺しにかかるか、悲鳴をあげて逃げるのだそれなのに彼女は悲鳴を上げるどころか殺そうとする事も軽蔑をする目でもなく、ただただ懐かしい物を見るような目で私を見ていた
それに私と関わりを持っていた魔族はそもそも少なかったし、そのほとんどが死んでしまった。だから懐かしい目をする者なんてもう居ない、なのになぜ彼女がそうしたのか、そんなの彼女が元々魔王様だったからに違いない。だって私の関わりのあった魔王様以外の魔族は肉弾戦なんてしてこなかったから。
それに彼女には言っていないが魔力の色と言うのはその魂で決まるものつまり魔王様と同じ魂を持つ者しかあの魔王様特有の全てを深淵へと包み込む漆黒は出せないのだ
なんて私が考え事というか、このフュディー・ミルフィユリという人間が私の愛する魔王様そのものなのであろうと確信めいていた時、突然彼女が話しかけてきた
「なんかずっと考え込んでいるようですけどどうかしましたか?」
「いえ、何でもないです」
「それじゃあ私から質問を何個かしてもいいですか?」
「いいですよ」
「まずなんで私の場所が分かったんですか?」
「なんだ、そんなことですか。簡単な事です、『固有詠唱』を使いました」
固有詠唱とはその名前の通り、その個人しか使う事の出来ない固有の魔法の事である。そしてそんな私の固有詠唱は『咎を抱く魔瞳』消費する魔力はほとんどなく、常時発動も可能な優れ物で、人の魔力の色、そして魔力の大きさ、さらには私の気になる人の場所が分かるというものだ。
過去何度かこの能力を駆使して魔王様を着けてたっけ
「固有詠唱を使ったんですか?こんな序盤で⁉」
「私の物は消費魔力が少なくコスパがいいので」
「そういう問題じゃない気がするんですけど……」
実際コスパがいいので仕方がない
「まぁ良いなら良いです。ではもう一つ質問いいですか?ちょうどいい横穴もあったのでここで話しましょうか」
「そうですね、それで質問というのは?」
「貴女Sクラスだったんですか」
「あれ?言ってませんでしたっけ?これでも学年3位で入学しているんですが」
「え?そうだったんですか、ユメさんあ、あのこれからユメ様とお呼びしたほうがいいですか?Fクラスの分際で……」
「いえ、そのまま……いえ、あの頃のように呼び捨てでお願いします。『魔王様』」
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