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第3話 学園と試験

「フュディーつーかーれーたー」


 私の部屋に入って早々お姉様がそういいながら私に抱きついてきた、ありがとうございます。じゃなかったなんでいるの?


「お姉様なんで私の部屋にいるんですか……まぁいいですけど。それとお姉様、新入生代表挨拶お疲れ様です。かっこよかったです」


 もう一度言おう、クラスメイトとの顔合わせを終え、与えられた部屋に戻ると何故か部屋にお姉様がいた、ありがとうございます。じゃなかった、なんでいるの?


「でしょ~かっこよかったでしょ~」

「それでなんでここにいるんですか?お姉様にはもっといい部屋があるでしょうに」


 この学園では所属しているクラスに応じて与えられる部屋が変わる、私は最低ランクではあるが、学園長の推薦だからといってそれなりの部屋…というわけでは全くなく、普通にFランクの部屋である。そしてお姉様はSランクだからこんなものとは比べ物にならない豪華な部屋なはずなのになんでいるのやら


「フュディーがいない部屋のどこがいいの?それに私にはこの学園でそこらの生徒よりも強い、だから自由なんだよね。」

「それがどうしたのですか?」

「つまり最低クラスのフュディーなんてどおとでもなるんだよね」

「だから?」

「私の部屋かフュディーの部屋で二人でこの学園生活中は寝ようかなって」

「それは……」

「なに一つ問題ないよ、ちなみにもしなにかあっても九ノ王か学園長以外の発言は無視していいって学園長に許可を得ているから、なにも言わせないんだけどね。だーかーらー一緒に寝よ!」


 正直断る理由は一ミリもないし、私はお姉様の事好きだしいいか。それに断わったらどうなるか分かったもんじゃないし


「良いですよ、一緒に寝ましょうか。それではお姉様、おやすみなさい」

「いやいやいや!ちょっと待って!冗談だから!ほら、それに私寝相悪いから一緒に寝たらフュディーに迷惑かけちゃうし、それにへ、変な噂がだったら嫌でしょれ」

「変な噂って……無いでしょ……姉妹だし」

「んじゃあ私は部屋に帰るね。おやすみ」

「おやすみなさい、お姉様」


 そう言ってお姉様は自分の部屋に帰って行った


 —————————————————————————————————


《ディティー視点》


「危なかった……危うくフュディーを襲う所だった……」


 私ことディティー・ミルフィユリは実の妹であるフュディーの事が好きだ、それも恋愛的な意味で


 妹にそんな感情を抱くのは人としてどうかという問題はあるが、そんな事はどうでもいい、私は弱い者が好きだ、フュディーは昔から努力をたくさんしていた、それをずっと側で見ていたからそこ私はフュディーが好きなのだ。

 だが結局フュディーには魔法の才は全く無いし、この学園でも一番下のクラスに入ってしまった。だから私がフュディーを守らないといけない、でも私がずっと側に居られる訳じゃない……だから私は大好きなあの人を復活させないといけない、フュディーの力を引き出すために、たとえその行動が世界を滅ぼす可能性があろうとも


 —————————————————————————————————


《フュディー視点》


 今日から本格的に学校生活が始まる


 はずだった


「突然ですが、今から貴方達には無人島に行き、退学をかけて戦って貰います。もちろんそこにはここFクラスの生徒だけでなく、E〜AそれにSクラスまで、全てのクラスがそこに行き戦います。もしそこで良い成果を出す事が出来ればランクアップも夢じゃないです。それではルール説明をします。……」


 何故か突然試験が始まろうとしていた、い、いや昨日の今日なんですけど……


 まぁそんなことを言っていてもあれなので切り替えることにした。そして先生が説明した試験のルールをまとめるとこうだ


 ・殺してはいけない

 ・試験は5日間

 ・6日目になった時点で75ポイント以下の生徒は退学

 ・各生徒は100ポイントを持って始まる

 ・ポイントは他生徒を気絶などの戦闘不能状態と判断されることで入手出来る。入手出来るポイントは以下のとおり

 Sクラス→300ポイント

 Aクラス→150ポイント

 Bクラス→125ポイント

 Cクラス→100ポイント

 Dクラス→75ポイント

 Eクラス→50ポイント

 Fクラス→25ポイント

 ・戦闘不能状態になると50ポイント無くなる

 ・獲得したポイントが元々持っていた分(100点)にプラスして150ポイント獲得するごとに自分のクラスが一つ上がる(最大Sクラス)


 現在Fクラスの人数は50人果たして何人残るのか、そもそもとして私が残れるかどうかすら怪しいんだけども……


 そして船、私はなぜか知らない女に抱きつかれていた


「懐かしい……魔王様とおんなじ匂い……体温も……」

「あ、あの……なにしているんですか?」

「はっ!これはすみません、魔王様。私はナイトメアです。久々に魔王様の匂いを感じたのでつい……」


 ナイトメア……聞き覚えのある名前だ……誰だっけ?あぁ、あのよく私に泣きついてきたあのナイトメアか……


 ナイトメアは元々私の側近とも言える魔族だったとても私を好いていてくれて可愛かったなぁ~実力もかなり高かったし


 いやそれはいいのだ、この自称ナイトメアはなんて言った?そうだ私を魔王だと、そう言ったのだ、確かにそこまで隠している訳ではない、だがばれるとそれはそれで面倒なのだ、仮にも私は一国の王女そんな人間が元魔王だということを知ったらどうなるかなんて容易に想像ができる。

 それに、過去多くの魔族が私に従っていたのはほかでもないその強大な力、それ故に多くの魔族は私という最強を殺そうとしていた。そんな奴らにばれてしまったらどうだろうか、そんなのすぐに死んでしまうに決まっている、今の私は落ちこぼれでろくに魔法なんて使えないのだから。それ故にばれてはいけないのだ


「抱きついていたのはいいんですが、なんで私が魔王って言ったんですか?」

「それは貴女がかつての魔王様と姿形それと種族は違いますが、魔王様と同じ魔力の色をしているからです。それに魔王様と同じ匂いがしますから」

「そうですか……理由は分かりました、でも私は魔王ではありません。ですからお引き取りお願い出来ますか?」

「嫌です」

「あ、あの、私は魔王ではないんですよ?それなのになんで離れないんですか?」

「まだ決まった訳じゃない、それにもし本当に違ったとしても、私は貴女のその匂いが好きだから離れないです」


 ずっと一緒にいるとばれてしまう可能性がある……だけどこのナイトメアという魔族はそう簡単に離れてくれない事を知っている。それこそ平気で夜這とかして来るタイプだ……これは自分の身のためにも傍に置いといた方がいい気がしてきた。それにこいつは魔族にしては珍しく私の力じゃなくて私そのものに惹かれて従っていた魔族だから例えばれても私を殺そうなんてしないはずだから


「……わかりました、これからよろしくお願いします。ナイトメアさん、私はフュディー・ミルフィーユリと言います。フュディーと呼んでください」

「これから末永くお願いしますね、フュディー様♡それと今はナイトメアではなく、ユメという名前でやっていますのでそちらでお呼びください。魔族だとばれたら面倒なので」

「わかりました、改めてよろしくお願いします。ユメさん」

「よろしくお願いしますね♡フュディー様♡」


 そうして船は無人島へと近づいて行く、果たして試験どうなることやら


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