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『秋』『底なし穴』『健全な精神』
『秋』
もみじが色づくのはまだなのに、
行楽で賑わう人々の
色とりどりのダウンが
どこか秋の訪れを感じさせるのです。
──秋の到来を待ちわびる詩
『底なし穴』
胸にぽっかり空いた、底なしの穴。
そこに静かに溜まっている、淀んだ水。
その水面が揺らぎ、やがてうねり始める。
そして水のうねりは黒いかたまりとなり、
わたしの生を根底から揺さぶる。
そして、わたしの社会性がそれをなだめる。
『健全な精神』
もしも、「健全な精神は健全な肉体に宿る」という言葉がある一定の真理を示しているのであれば、私の宿している精神が健全であるはずがないだろう。