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『白玉』ほか『生命』『スワイプ』


『白玉』


白玉の 甘く冷たいシロップの膜に


提灯の淡いあかりが映る


もうじき、花火が打ち上がる   






『生命』


幾本もの手足をばたつかせながら


見えない炎に焼かれるように 藻掻き苦しみ


息絶えるまでの数十秒


僕は目をそらして


一本の化学兵器を右手に持ったまま あまねく生命が平等であることを願う







『スワイプ』


眼前のトンボに


人差し指を向け、


左から右へとなぞる。


トンボはピクリともせず、


終いには反対の方向に飛んでいく。


わたしは安堵する。



白玉のシロップが夏の夜を優しく包み込みます。

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