Memory...003
「……はい」
「よし、じゃあ次だ。あー、リーダーっぽい君、名前は?」
指で差しながら一回り大きい彼に名前を尋ねると必死に声を振り絞って答えようとしていた。
「……うっ……トム」
「OK、トムは強いな。じゃあ次はお願いだ、あの子を呼んできてくれるか?」
トムは無言で頷き、目を洗いに行った彼の元へと向かってこちらへと連れて来た。俺は水で濡れている子どもに名前を聞きながら頭を撫でた。
「トムありがとう。ほら、泣くなって、君の名前は?」
「……」
「黙ったままじゃ分からないぞ。トムはちゃんと答えてくれた。男だろ?」
「……ケリー」
「よし、ケリー、こいつらは全員反省してくれた。それは俺が保証するよ。な?」
泣きながらも頷く子ども達を見て、ケリーは俺の方を向いて無言で頷いた。
「そうか、ケリーありがとうな。じゃあ次、君は彼らを許せるか?」
並んでいる五人は泣きながらも小さい声で謝り続けていた。ケリーは俺の顔をまじまじと見つめる。何か言いたげなケリーの背中を俺は軽く叩いた。
「決めるのは俺じゃない、君だ。さあ、どうする。許してやるか?」
「うん!」
「よーし、良い子だ。じゃあ皆、これからは全員で仲良く出来るか?」
「うん!」
今度は全員の返事が聞こえた。
「良い返事だ。ほら、残りの砂みんなで落としてやれ。あと、ちゃんと目洗え、擦るなよ。さあ行った行った」
子ども達の背中を軽く押すと全員が水道のある場所へと走っていく。
ふっ、たまには良い事しとかないと女神さまに嫌われる。
「おい、お前って子ども好きだったか?」
懐かしい声に後ろを振り向く。そこには子ども達を見守るスキンヘッドの野郎が立っていた。
「レオン、急に後ろから話しかけるなよ……お前がサングラスしたらマフィアにしか見えないぞ」
「ハッハー、まあ、なんだ? 見守る親の気分ってやつさ」
「何馬鹿言ってんだ、ったく、サングラスは被ってるし、三十分遅刻だ」
「おいおい、俺は時間通りに来たぞ?」




