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なんでも許すから。

作者: 泉末広
掲載日:2019/08/15

逃げられないから、現実っていや。

見えない。愛しい人の姿が何処にもない。

逃げられないから、現実っていや。

聞こえない。恋しい人の声が何処にもない。

必然の予感。つま先立ちの言い逃れには意味はない。

逃げられないから、現実っていや。

すがりつくように、か細い電話のベルを数え続ける。

逃げられないから、現実っていや。

幕引きの予兆、怖いほど知っている。

呼び出しのベルがいつもと違うタイミングで止まる。

逃げられないから、現実っていや。

聞き慣れた声が、未知のリズムに乗って押し寄せる!

聞き慣れた声が、嫌な現実に突き落とす!

夢って、なんでも許すから、好き。

知っていたのに、気づかない振り。

夢って、なんでも満たすから、好き。

支えられてるのに、恐慌に挑む振り。

夢って、目隠しするから、好き。

遠くに聴こえる喧騒が、置き去りにされた孤独を思い出させる。

夢って、痛いところを舐めてくれるから、好き。

地味な幸せさえ連れ戻せないと知ったから。

孤独は、話し終わらない通話が切れてから始まるから。

怯えていたけど、こうなることは夢見てたから。

幸せは分け合えるけど、苦しみは相応にのしかかる。

もう、内緒にできない、隠せない。

もう、なんでも許すから、ここにいて。

逃げられないから、現実っていや。

空腹でさえ、遠い死を感じさせるから。

心地よい眠りでさえ、永遠の眠りを感じさせるから。

今、ありふれた幸せは儚い声で騙られる。

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