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私って物語に必要ですか  作者: 那花しろ
8/21

お嬢様が消えた①

「失礼いたします。メレディ様が見当たりません。」

青い顔をしてアーニャが小さな声で伝えた。


「!!」

直ぐに辺りを見渡しアボットを探すと、友人たちと談笑している姿がみえた。

傍にメレディは居ない。


「アボット殿、メレディは?」

「少し前にお話しをしましたが、メレディ様がご友人に挨拶をしてくると、別れましたが。」


近くにいる令嬢たちに声を掛けるが皆、「いいえ、お見かけしておりません。」と答えだったが、「あら、先程、奥に歩いていかれる後ろ姿を見ましたわ。」小さな森がある方向を指す。


「誰かと一緒でしたか?」

首を振って「いえ、気付きませんでした。」



側で控えていた執事が、「ソイネル様も呼んできてくれ」とアーニャに指示をだしている、

「はい、ジョシュー様」アーニャはそのまま、ソイネルに事情を伝えに走って行った。


私はそのままメレディを探しに森に入った。


「メレディ!メレディ居るのか?」

声をあげながら、中へ中へと入っていく、池が見えた、その脇を通り過ぎ様とした時、視界の端に違和感を覚え立ち止まり池を振り返る。



「ハイゼル様?」


「ジョシュー・・・何故、池の真ん中に舟がある?」

見つめる先に舟が逆さまに浮いていた。

気付いたジョシューも、池の中の舟を見て青ざめていく。


「騒がず、父上にこの事を話してくれ、その後の事は父上の指示を請けてくれ」

静かにそう話した。





メレディが具合が悪くなり休んでいる事にして、早々にパーティーを切り上げた。






お祖父様がまだ若く侯爵を継ぐ前、他国との戦で、絶体絶命の危機を前ウェルソン侯爵に、(こちらも侯爵家を継ぐ前)助けられた。


その事があったから、私たちは生きているのだと、お祖父様がよく話していた。

前ウェルソン侯爵に並々ならぬ恩義がある、その為、この婚約話を断れなかったようだ。


しかし、当の本人たちに、全くその気がないので、さすがに断りを入れたが、友の懇願に、一年間様子を見ることになった。それでも駄目なら諦めると約束を取付けた、その約束の日に起こった出来事だった。




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