婚約者候補
ダウガード子爵とは、母の実家に養子に入ったのち、伯母のダウガードを継いだらしい。最初の奥様との間には長男10歳長女6歳のお子様がお二人、7歳と3歳の時に奥様がお亡くなりになったらしい、その後ソフィア様がローデリア様を連れて後妻になったということだ
爵位は違うけど悪役令嬢ローデリアで間違いないようだ
階段から落ちる時に見た赤い髪の美少女がローデリアだった
そして、私が眠っている間に婚約者候補と悪役令嬢はイイ関係になっていたという、もう、これは、痴情のもつれ一直線
「ダウガード子爵はミレニカの義兄だし、無下にも出来ない」
う~んと唸り困った顔をしている
「だからと言って子爵令嬢が呼ばれても居ない侯爵家のお茶会に来るのは常識的に考えてもおかしくはないですか?」
ハイゼル兄さまはお父様に詰め寄っている
もう、いいじゃありませんか、皆様、その婚約者候補様とローデリア様が婚約なされば、私は別に婚約者なんて要らないですし、2人がくっつけば痴情のもつれで殺される事もなくなると思いますので。
「お父さま私婚約したくありません、そのお方とローデリア様が婚約なさればよろしいかと思います。」
両手を合わせお願いポーズで言ってみる
「そうだねメレディはそんな婚約者なんて要らないよね別の令嬢に心奪われるアホなんてさ」
ハイゼル兄さまが優しく頭を撫でくれた
「メレディが怪我をして気を失っている間に令嬢を口説いている男なんてろくな男じゃない!メレディは何も悪くないよ」
ソイネル兄さまにそっと手を取られ立ち上がった
「では、このお話は無かったことに」
ハイゼル兄さまが断りを告げると、2人の兄に連れられて部屋を出ようと扉に向かって歩き出す。
「ちょっと、ちょっと待ってくれ」
父があわてて引き留めてきた。
「また、きちんと顔合わせもしていない、まずは会ってみてからでも、いいんじゃないか?アボット殿も話も出来ずとても残念がっていた次はもっとお話したいと言っていたんだよ、メレディ」
「そう、そうなのよ、お兄様たちはメレディを取られたくなくて大袈裟に言っているだけなのよ、お話ししたらきっと仲良くなれると思うの」
お父様、お母様、必死ですね。
婚約者候補はアボット様という名でしたか、顔は覚えていません




