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私って物語に必要ですか  作者: 那花しろ
20/21

王宮へ

私(米森美桜)は実家に帰ったとき妹がやっていた乙女ゲームを覗きみて、少しストーリーを教えてもらっただけだった。

その帰り道、トラックに突っ込まれて死亡したらしい。


次に気がついたら、その乙女ゲームの世界にいた。

しかも、ゲームの中では名前すらない説明のみで殺された令嬢になっていた。

どうにか回避出来ないかと、市井で生活基盤を作り、婚約者候補には舟の事故に見せかけて殺されそうになったが、侯爵邸の池には幽霊がいて、何故かその幽霊が助けてくれて、無事に脱出出来た、そのまま殺された事にして市民として生きていこうとしたが、兄達に見つかり家に戻された。


問題だった私を殺そうとしていた婚約者候補は捕まり、ストーリーの『痴情の縺れにより殺された令嬢』はゲームの中に存在しなくなった、同じくローデリア侯爵令嬢というゲームの中心人物、悪役令嬢の存在も無くなった。

この世界がゲームかもしれないが、せっかく貰った命なのだから大切に生きて人生を謳歌したいと思う。

主人公のヒロインには申し訳ないが、ゲームの事を私は何も知らないのだから自由に生きてみたい。


************




あの事件でウェルソン侯爵家は取り潰しにされ、『侯爵令嬢殺人未遂~美しい子爵令嬢に魅了された、侯爵令息。』とか何とか社交界にゴシップが知れわたっている。

社交の場に出たらゴシップ好きの面々に噂され好奇な目に晒される。



「今回は駄目よ、御断り出来ないの1度で良いから出席してね。」


母からの渡された王宮からの招待状を恨めしく見てしまう。


「メレディ大丈夫だよ、一人にしないから、ずっと側に付いているから安心して。」


ソイネル兄さまの甘い笑顔その声にドキドキしまう、この世界は早熟なのかしら。


「メレディも学園に入るのだから、もう少し社交をしておいた方がいいわ、大人になったら嫌でもしなくてはならないのよ。」


今のうちに少しずつ慣れておけということね、学園は縮小した社交界かぁ。


「お友達も出来るかもしれないわよ」


(おともだち・・・)




何て考え甘かったわ、すっごい人、人、王族主催のお茶会しかも、王宮庭園。



何だか見られている気がする、視線が怖い。


ソイネルお兄さまの影に隠れて、その腕にしがみついている。

中にはウットリとした視線もあった、これはソイネルお兄さまに向けている視線だ、イケメンだものねお兄さま。


「あれは?ローデリア嬢?」


視線の先にはローデリア様がいた。


緑色のドレスに赤い髪がとっても綺麗、今日のお茶会は11歳から15歳ぐらいの令息令嬢の集まりだからローデリア様が居てもおかしくないんじゃない?と思った。



「今日は第一王子殿下、第二王子殿下、王女殿下がいらっしゃる、しかも、将来の側近候補達のお披露目も兼ねているお茶会だから、伯爵家以上なんだ。」


その様な参加規定があったのか。

だから絶対お断り出来ないって事だったのね。




「メレディ、その木の陰で待っていて、直ぐに戻るから。」

「わかりました、ここで待っています。」

木の裏に回り陰になっている所で目立たないようにうつむいて小さくなっていた。




髪が引っ張られる感覚に顔を上げると毛先を持って小さな光が目の前を漂っている。



「?」

(これ、池に落ちた時に助けてくれた、幽霊さんの光?)

私の髪で遊んでいるようだ、手をそっと出すと掌の上に止まった、ほんわかと暖かい。


『あったかーい』


小さな声が聞こえたので辺りを見回すが、私以外誰も近くに居ない。

掌の小さな光に目を向けた。

「あなたなの?」


『うん、そうだよ、やっと答えてくれた!ずっと話しかけていたんだよ。』



「そうだったの、気付かなくてごめんなさい、私の家の池で助けてくれたのはあなた?ずっとお礼を言いたかったの」


『池?違うよ、それは・・・』

何かを言おうとしていたが、その光は掌から消えてしまった。


どこに居るのかと顔を上げると男の子が二人目の前にいた。



(えっ?誰?)










お久しぶりになってしまいました。また、お付き合いいただけると嬉しいです。

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