私って?
「メレディ!」
最初に父が入ってきた
「具合は?気分はどうですか?」
優しく心配そうに問いかける母
まだ、安静にとの事でそのまま、お茶会には戻らなかった
アーニャが濡れた布を頭にのせてくれている
「まだ、頭がズキズキします」
母が優しくそっと頭に触れて「早く良くなってね」と撫でくれました
「そうか・・・ゆっくり休むといい、話は後にしよう」
2人が出ていくと、また部屋が静かになり、頭にのせた布も冷たくて気持ちよかった、また、目を閉じると眠ってしまった
目を開けると辺りは薄暗くなっていた
部屋には誰も居ないので、何となくそのまま、部屋を出た、誰かを呼ぶのも気が引けたので
頭痛は治まったようだけど、まだ体は痛い、でも歩けないほどではない
灯りが漏れている部屋に近づくと中から声が聞こえてきた
「父上は本当にアボット・ウェルソンをメレディの婚約者にするのですか!?」
長男のハイゼルの呆れた声が聞こえてきた
「今日の趣旨を解っていながら他の令嬢に媚びてる男など信用ならない!」
強い口調で次男のソイネルが言う
「媚びてると言うか・・・話し相手になっていただけじゃないかなぁ・・」
父は力無く答えている
「それに何故、今日が顔合わせの日と解っていながらローデリア嬢が呼ばれてもいない我が家のお茶会に来たのですか」
「伯母様が今日の事をダウガード子爵にお話しになったらしいの、子爵の後妻様が娘にも良い御縁をと送り出したそうなのよ」困ったわねと母がため息まじりに話す「来てしまったのに追い返す訳にもいかなくてね」「ソフィア子爵夫人もローデリア様にも困ったわね」
んっ?ローデリア?今、ローデリアって言いましたよね
思い出したゲームの登場人物の名前に思わず中に入ってしまった
私の登場に驚いている4人私はお構いなしに質問した
「ローデリア様って今日あの場所に居たのですか?ローデリア様はどんな方なのですか?」
「メレディ落ち着いて、どうしたんだい急に」勢いよく質問してくる私にソイネル兄様が優しく背を撫でながらソファへと座らせてくれた
ローデリアって事故に遭う前に話していた乙女ゲームの悪役令嬢の名前だ、妹が好きだった小説に異世界転生の物語があった、まさか私が乙女ゲームに転生したの?記憶が戻ったけど、このゲームの情報少なすぎる、自分がこのゲームではどんな役割なのか、まず私の立場を把握しなくては
「お父様、ローデリア様と私は何か関係はありますか?」ドキドキしながら父の見つめる
(どうか無関係でありますように)
名前が出てる以上そんなことはあるわけないのに両手を合わせ祈ってしまう
「メレディとローデリア嬢は従姉妹になるのかな?」
「!!」
「従姉妹といっても私の義兄のアリウス・ダウガード子爵の後妻様の連子なのですけどね」
母の義兄の子って事で従姉妹ってことなのね、血の繋がりはまったくないけど・・・従姉妹
ローデリア悪役令嬢キタッー
あれっ?子爵令嬢?でもゲームでは侯爵令嬢だったような気がしますが?
それよりも『悪役令嬢ローデリアの従姉妹が痴情のもつれで殺されて、それで・・・』頭の中で妹の声が聞こえてくる、まさか殺される従姉妹って私?ゲームでは文章だけ、しかも死亡後なので、名前も家族構成なんて出ていなかった
せっかく生き返ったのに死んでしまう(しかも婚約者に殺される)なんて、そんなの嫌だ!




