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私って物語に必要ですか  作者: 那花しろ
13/21

悪いのは

バルモティ侯爵家に、アボット、ウェルソン侯爵夫妻、前ウェルソン侯爵、ローデリア。

バルモティ家の面々が揃っている。


ウェルソン侯爵が挨拶をする、がバルモティ家からは反応がない。

アボットがローデリアに近づいて手を取ろうとする。


「会いたかったよ、ローデリア⋯⋯」


その手を払い、ハイゼルの腕に掴まり隠れる。


「?」

訝しげにバルモティ侯爵を見る、侯爵は厳しい顔で此方を見ている。


訳がわからず振り返り家族を見るが、ウェルソン家も訳がわからない。




「どうした? ロベルト」

「どうした、だと!?」怒りのこもった声で答えた。





数時間前のこと


執務室の扉をノックする。

「旦那様、ローデリア様がお話があるそうです」


「ああ、入ってくれ」


部屋の中には、祖父、父母、兄達が居た。


ローデリアは小さな声で話し始めた。

「あの、お話が⋯⋯」

震える手を握り締めポツリ、ポツリと話した。


あの日、メレディとアボットの二人が森に入るのを見ていた。供も連れずに二人きりなのが気になった、暫くするとアボットが一人で戻って来たので、おかしいと思ったが、メレディが別の誰かと居ると思った。だが、メレディを探すハイゼルを見て、アボットに、声をかけた。


ところが、最初から森には入っていない。二人きりになど、なっていないと脅すように言われた。

と、震えながら告白した。


「恐ろしくて、誰にも言えませんでした。」

大きな瞳からボロボロと涙を溢す。


「お伝えしようとしたのですが、恐ろしくて、せめて夫人のお心をお慰めしようと。」

両手で顔を覆い泣いている。


「恐いのです、アボット様のあの時のお顔、目を思い出すと、私もメレディ様と同じように・・・」



「話はわかった。ライター、騎士団に連絡してくれ。」

「はい。」






ハイゼルは、ローデリアに腕を掴まれ顔をしかめる。

アボットはローデリアにくっついているハイゼルを睨み付けている。


ロベルトとセイデイルが前に出てウェルソン家と婚約締結はしないことを話す。


納得できない、ドガリオはロベルトに詰め寄る

「どういう訳だか説明しろ!」


「我が侯爵家に対して何をしたか、アボット殿が一番よくお分かりだと思うが。」

バルモティ侯爵に睨まれるが、アボットは何のことだかわからない顔をしている。



スッと、髪飾りを出した。

「これはメレディの物です。」


「?それが」


「わかりませんか?これは池で見つかりました。」


「!それでは、メレディ嬢の死体が上がったのですか?」



「!!」

アボットの言葉に皆が顔をしかめる。


「死体・・・」

セイデイルが呟く。


「やはり、池でしたか、舟に穴が空いていて沈みそうになり、メレディ嬢も慌ててしまって、舟から落ちてしまったのですね。」


ようやく死体が見付かったかと、安堵した表情をした。



「穴の空いた舟にメレディ嬢が乗っていたのですか?それに気付かず池に入ってしまったと?」

ウェルソン侯爵の言葉にアボットは振り返る。


「アボット殿、なぜ舟の穴のことを?」

ハイゼルが前に出てくる。


「先日舟を調べましたら、人工的に空けられた穴がありました。」

ソイネルも続いて前に出る。


「なぜ?穴のことを?」

再度、アボットに尋ねる。



「!えっ、あれっ、誰だったか、そんな話を耳にしたような。」



ハイゼルが、ジョシュに目で合図を送る。

ジョシュが扉を開けると、若い男が立っていた。


「なぜ、ここに・・・」

アボットが最近屋敷から追い出した、自分付きの男だった。


「入ってくれ」

侯爵に言われ、一礼して入ってくる。



アボットをチラリと一瞥し、侯爵に頭を下げる。



「話せ。」

「はい、私はウェルソン侯爵家御子息の付人でございました。」






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