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『日本語』
これ以上難しい言語がどこにあると言うのだろうか。
喋りすぎれば一言多いと言われ、逆に喋らなすぎれば言葉足らずといわれる。ことわざには、「言わぬが花」、「沈黙は金」ともあるが、現実はそう甘くない。
「はぁー」
公園のベンチでくらい雰囲気を醸しながら大きなため息をつくのは俺、井伊直弼。18才。童貞・・・。
16才で成人してから早2年。そんな俺だが先日、製造業を首になった。製造業といっても、冒険者たちが刈ってきた薬草を機械に突っ込んでポーションが出来上がるのを見守るだけの簡単なお仕事だ。
なぜそんな仕事を首になったかって?
A.言葉が足りなかった
職場の女の先輩に「(今日はもう仕事を)やめたいな。(新作のゲームが発売されたし)」って言ったら、翌日退職関係の書類があとハンコを押すだけの状態で準備されてたよ・・・
おまけにお偉いさんたちに先輩が先にその事を伝えちゃったせいで取り消すにも取り消せなかったし
普通、やめたい理由とか確認するでしょ
実は俺にとんでもない恨みを持っててやめてほしかったとか?
言質はとったてきな?
「はぁー」
もう一回大きなため息をつく
(何でこんな説明心のなかでしてるんだろうな)
(現状が飲み込めなかったからか)
心のなかで自問自答する。
「終わりにしたいな」
思い返してみればろくな人生じゃなかったし。まあ、でもこんな気持ちも一時の物なんだろうな。
「じゃあ、終わりにしようよ」
「・・・えっ?」
驚く俺を無視して声の主は続けて言う
「だから、終わらせていんでしょ?」
「私もちょうどやめてほしかったんだよね」
「だから君、冒険者にならない?」
「は?」
これが彼女との出会いだった。
はじめまして水政です。
よろしくお願いいたします。
気が向いたら次回以降更新してきます。(はやくかけ)