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第8文 授業より大事な昼休み

まーた一年後に投稿してるよコイツ。計画性がないのか。

 陽一(よういち)と大地を融合させたらいつの間にか終わったゴールデンウィーク。

 第2の寝床となった学校で惰眠を貪り、訪れた昼休み。


「あ~、今日も疲れた~」


「午前中ずーっと寝てた奴がぬかしおる」


「そう言う陽一さんは何をしてましたか?」


「ソシャゲでーす!」


「お前さんも勉強してないやーん」


「「はっはっはっ!」」


 僕ら退学処分受けても文句言えないねこれ。


「まあそんなことより飯だ飯。腹が減っては戦ができぬ」


「膨れていても授業(いくさ)は逃げる」


「「はっはっはっ!」」


「……アンタら何で進学したの?」


「随分と楽しそうだな。私達も混ぜてくれ」


 絢音(あやね)が呆れた表情で、彩月(さつき)が笑みを浮かべて会話に入ってくる。それぞれ片手に弁当箱を持っていた。


「おぉ絢音に彩月か。苦しゅうないぞ近う寄れ」


「ソシャゲで遊び呆けてた奴が偉そうに。まあお邪魔するよ」


「邪魔するなら帰ってー」


「あぁ? お前を土に還してやろうか?」


「ふえぇ……怖いよぉ彩月ぃ……」


「駄目だぞアヤ。(こう)が怯えているじゃないか」


「いやコイツそんなタマじゃないでしょ。何コロッと騙されてんのさ」


 と中身のない会話をしながら机を合わせる。僕と陽一はコンビニのパンを。彩月と絢音は弁当箱を机の上に広げた。


「……でさー、このキャラ欲しいのにガチャで出てくんないんだけど、どうすればいいですかね絢音さん」


「まぁまぁこの画面見てまったりしなさいな」


「どれどれ~ってそれ欲しい奴じゃねえかあああ羨ましいいいいい!! ソイツをこっちに寄越せ!」


「無茶言うなし」


「じゃあ何故見せたし!」


「優越感に浸る為」


「悪女だよこの人……」


 そう言う割りには楽しそうな陽一。コイツもしやドMか?

 愉快な光景を眺めながらメロンパンを炎髪灼眼流に食べていると、彩月から視線を感じた。


「どうしたんだ彩月。そんなに見てもメロンパンはやらんぞ」


「君の唾液が付いたメロンパンなら殺してでも奪い取りたいが、そうではなくて訊きたい事があってな」


「待って、今の話をスルーする訳にはいかないんですけど」


「康、君はいつも昼食はコンビニのパンなのか?」


 軽くスルーされた。まあ流石に冗談だろう。冗談だよね?


「そーだよ。行きつけのコンビニで買ってる」


「お弁当を作ってくれる人はいないのか?」


「いないねぇ。姉貴が作る訳ないし、母さんからは"貴様ごときが私の弁当を食べれると思うな"って言われたし」


「……もしかして、家族の人と仲悪いのか?」


「いや別に?」


 至って良好ですぞ? とんでもなく口と性格が悪いだけで。


「……もう一度訊くが、お弁当を作ってくれる人はいないのだな?」


「このメロンパンにかけて嘘は言わぬ」


「ならば、私が康のお弁当を作っても良いか?」


「……彩月が?」


 その時横からダンッと机を叩く音が響き渡る。そちらに眼を向けると、陽一があり得ないものを見たような表情でこちらを見ていた。


「クラスメイトの女子からお弁当……? バカな……まさか、伝説は本当だったと言うのか……!?」


「いやお前何をそんな驚いて……」


「お弁当……だと……!?」「そんな……あり得ない……お伽噺ではなかったのか……!?」「こんな……こんな事が……あってたまるか!」


 気付けば教室の中が阿鼻叫喚と化していた。

 ……うん。無視しよう。


「作ってくれるのは嬉しいけど、手間がかかるし面倒だろ。気持ちだけ受け取っておくよ」


「1人分増えるだけだから大して手間ではない。それに、これは私にとってチャンスでもあるんだ」


「チャンス?」


「彼の心を掴むなら胃袋からと言うだろ? 私の手料理を食べさせて君に惚れさせようと言う寸法さ」


「ああなるほどね」


 一応彩月にも利点はあるのか。それに彩月と勝負している身としては、ここで退く訳にはいかないよね。

 ……別に彩月の美味しそうな手料理が食べたいとかじゃないよ?


「ならお願いしようかな」


「任された。楽しみにしていてくれ」


 自信に満ちた顔でドンと胸を叩く彩月。ヤバイ。別のモノを食べたくなるわこれ。


「……康の奴、女子高生の手料理食べれるみたいっすね」


「そうみたいね」


「……時に絢音さん。実は俺も昼食はコンビニのパンなんですよね」


「今アンタが食べているのを見れば分かるし」


「あぁ……俺も女子高生の手料理食べたいわー。誰か作ってくれる優しい淑女はおらぬものか……」


 チラッチラッ。


「……陽一」


「はい、何でしょう!」


 キラッキラッ。


「日の丸弁当日の丸抜きってどう思う?」


「…………」


「…………」


「……遠慮しておきます」


 ズーン……。


「あら残念」


 凄い悪い笑顔を浮かべて淑女らしく笑う絢音さん。流石に陽一が哀れだな……ここは励ましてやるか。

 滅茶苦茶がっかりしてる陽一の肩に優しく手を置く。


「陽一……」


「康……」


「お前の不幸で飯が美味くなるぜ、ありがとな!」


「…………ふふっ」


 ゆっくりと立ち上がった陽一と向き合う。その顔にはさっきまでの虚しい表情はなく……。


「オイゴラァ表出ろや! 喧嘩売ってんなら買ってやるよ!」


「あぁ!? 励ましてやったんだろうが耳腐ってんのかボケ!」


「腐ってんのはテメエの性根だろうが!」


 ヒートアップした僕らを止めたのは、我らが担任タマチャンでした。マジ強いよあの先公。






「そんなこんなでお弁当作ってきたぞ!」


 翌日。昼休みが始まってすぐに彩月がやって来た。両手にそれぞれ弁当箱を持っている。

 良かった。重箱を持ってくると言うボケは無さそうだ。


「ありがとう彩月。じゃあ早速頂こうかな」


「いや、待ってくれ康。その前に私の頼みを聞いてくれないか」


「頼み?」


「今日だけで良いから、屋上で食べないか?」


「屋上で? 屋上って確か鍵がかかってたと思うんだけど」


 屋上での昼寝はどんなもんかと試そうとして、扉に鍵がかかっているのにがっかりしたのを覚えている。


「それなら大丈夫だ。ほら」


 そう言ってポケットから取り出した鍵を見せる。

 う~ん。もしかしなくても、屋上の鍵なんだろうな。


「なっ?」


「いや、なっ、じゃなくてだね」


 何を得意気に見せつけてるんですかね、この娘は。


「それ職員室からパクってきたの?」


「まぁまぁ、そんな細かい事は良いじゃないか」


「良いのかなぁ……」


 まあ今更言ってもしょうがないか。悪いのは生徒にパクられる先生だ。


「そう言う事なら屋上で食べますか。陽一と絢音は?」


 何も考えずに二人に声をかける。……何故か呆れたような眼を向けられた。


「行くわけないじゃん。馬鹿なの?」


「空気読め。ついでに死ね」


「ひどない?」


「康、私は君と二人っきりで食べたいから屋上に誘ったのだぞ?」


「すみませんでした」


 もしかして、僕は一生彩月に頭が上がらないんじゃなかろうか。

 それから教室で二人と別れて彩月と屋上に向かう。階段を上がって拝借した(パクった)鍵を使って扉を開けた。


「おおー、中々良い景色だな」


 周りの町並みを見下ろせる風景を見て彩月が言う。当たり前だけど他には誰もいなかった。

 中央に座り弁当箱の包みを広げる。青色の蓋を掴み、ゆっくりと持ち上げた。


「おぉ……」


 思わず声をこぼした。昨日、彩月の弁当を見て料理が上手い事を知っていたが、それでも抑えることができなかった。

 ハンバーグ、ベーコンを巻いて炒めたアスパラガス、タコさんウインナー、卵焼き、ほうれん草の炒め物、プチトマト。

 弁当箱の中には美味しそうな料理が入っていた。


「凄い美味そう……これって彩月が作ったの?」


「勿論。私の手料理で君をメロメロにさせなくては意味がないからな」


「なるほど……隠し味に媚薬を入れてるのか」


「……そうか、その手があったか!」


「いやごめんなさい冗談です止めて下さいお願いします」


「慌てるな。流石に私も冗談だ。そんな小細工で進展させるのは望んでないからな」


「あぁ……ホッとした」


 良かった……ちょっぴり恥ずかしくなって変なジョークを言ったらとんでもない事になりかけた。


「そんな事より、弁当を食べてくれ。率直な感想が聞きたい」


「分かった。いただきます」


 真剣な眼差しで僕を見る彩月を横目に、最初に口にする料理を選ぶ。う~ん、この美味しそうなハンバーグからいただきますか。

 箸で掴んでパクっと一口。


「おー……美味しい」


「本当かっ!」


「うん、スゲー旨いよ」


 今まで食べたどの弁当よりも旨い。お袋の味より旨い。本人の前で言ったらシバかれるから心の中に留めておく。

 その後は飢えた獣のようにパクパクと口の中に入れていく。止まりもせず飽きもせず。あまりにも良い食べっぷりだったのか、彩月はそんな僕の様子を黙って眺めていた。

 いくらでも食べられる気がしていたが、弁当の中身が無限に湧く訳がない。空になった弁当箱の蓋を閉じる。


「ご馳走さま。とても美味しかったよ」


「お粗末様でした。そんなに気に入ったなら毎日作るってくるぞ?」


「本当? 是非お願いしたい所だけど、流石に負担が大きくなるだろ」


「気にしなくて良いぞ」


「いや流石に気にするぞ」


「良いんだけどなあ……なら、今度のお買い物の時に荷物持ちをやって貰えないか?」


「良いぜ。てか、それでこんなに旨い弁当を食べられるなら、こっちからお願いしたいくらいだ」


「そうか、それなら明日も作ってこよう。期待しててくれよ?」


 弁当を食べて彩月と話しているうちに昼休みの終わりが近づいてくる。せっかく屋上に来れたんだから、今日はここで昼寝でもしようかな。


「彩月、屋上の鍵を渡してくれないか? 鍵は僕がこっそり返しておくから」


「それは良いが……何故?」


「僕がここで昼寝していくから」


「康……そうやって授業をサボっていると、後々痛い目を見ることになるぞ」


「そん時はそん時さ。授業は何時でも聞けるけど、屋上での昼寝は今しかできないだろ? ここで寝ておかないで何時寝ると言うのだね」


「はぁ……君は全く……」


 溜息をつきながら彩月が屋上の鍵を僕に渡す。


「ありがと。じゃあ僕は寝るから……」


 言いながら眼を閉じる。この晴天にこのそよ風。あぁ……今日は気持ちよく寝れそうだ……。


「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


 気のせいかな。彩月が此処から離れて行こうとしないような。


「……あの、彩月」


「何だ?」


「いや……教室に戻らないの? そろそろチャイム鳴るよ?」


「折角だから私も昼寝しようと思ってな」


「……いやいやいやいや」


 なに軽く言ってるんだ。僕はともかく彩月はマズイでしょ。


「君が此処で昼寝をするのだ。私がしたって問題ないだろ?」


「あるわ。成績とかに響くぞ」


「成績の事はあまり気にしないさ」


「文武両道な彩月にあるまじき発言はいかんぞ」


「文武両道? 私はそんな事するつもりは無いぞ」


 あれぇ~陽一の情報は何だったんだ?


「とにかく私も此処で寝るぞ。康も異論はないだろう?」


「うん……まぁ彩月が良いなら何も言わないけどさ……って」


 気づけば既に彩月が横になっていた。これは何を言っても聞かないな。


「まあ良いか」


 深く考えず僕も横になる。青い空に白い雲がゆっくりと流れていく。この場も雲のようにゆっくりと流れている。何も考える必要のない僕好みの空気。


「風が気持ちいいな……」


 隣から彩月が小さく呟く。ゆっくりと眼を開けて彩月を見ると、彼女は眼を閉じていた。


「学校でこんな風に過ごす事になるとは思わなかったが……案外悪くないな」


「な? 昼寝も悪くないだろ?」


「君が昼寝に夢中になるのも分かる気がするよ」


「だろだろ? だから僕が昼寝……」


「だからと言って昼寝しすぎなのは感心しないけどな」


「知ってたし」


 その時、学校のチャイムが鳴り響く。午後の授業が始まったっぽい。


「こうして教室に戻らない事……アヤと陽一はどう思っているだろうな」


「う~ん……あの二人はなんと言うか、予想通りって思ってそうだな」


 それよりもタマチャンの方が気になる……。あの二人が上手い事言ってくれる事を願おう。






 一方、チャイムなる少し前の教室にて……。


「……もうそろそろチャイム鳴るけど、あの二人戻ってこないな」


「まー戻ってこないでしょ。サッキーは康と二人っきりになれるし、康は昼寝できるし」


「だよなぁ……。ア゛ァ~ッ……美少女とお昼寝デートとか羨ましい……」


「成績とか落ちるけどね」


「成績が落ちても構わない。俺にも……俺にも甘々な春を……!」


「その内アンタにも来るわよ。30年後くらいに」


「三十路どころか四十路!? 旬を通り越してるじゃん!」


「そもそも旬があるのかどうか……」


「あるわ! ないと困るわ! あるよね!?」


「私に聞くな」


 ガラッ……。


「あ、タマチャン来た」


「よーしお前ら席につけー。そろそろチャイムが鳴るぞー」


 ドタバタバタドタ

 キーンコーンカーンコーン。


「んじゃ今から授業を始めるぞー……と言いたい所だが、絢音」


「へい」


「康と彩月はどうした」


「二人は蜜月中です」


「陽一くーん、康さんの机持ってっちゃってー」


「かしこまりい!」


「……あの、タマチャン」


「何だ絢音」


「サッキーには特にないんですね」


「アイツは授業でなくとも自習なりなんなりで学ぶだろ。これで成績落ちたらキレるが、まあ結果を見てのお楽しみだな」


「いや、フツー授業に出なかったら駄目じゃないですかね」


「何だ絢音。私が普通に見えるのか?」


「いえ全く」


「授業ってのは結局、先生が教科書プラスαの知識を生徒に教えるだけだ。やろうと思えば独学でも同じ知識は得られる。それで通用するなら、私は特に何も言わんよ」


「……なるほど」


「ただし、康。アイツは駄目だ。おめえの席ねえからの刑に処す。ついでに陽一も駄目だ」


「俺も!?」


「お前、前の授業でスマホいじってたらしいな? あまり目につくようなら、お前をスマホにしてやるから楽しみにしてな」


「……肝に命じておきます……」


(冗談に聞こえないのがこの人の凄い所だな……)






「……ん」


 眼を開けると大きな羊が泳ぐ海が見えた。


「ここは……」


 横になっていた身体を起こす。机と椅子が並ぶ教室ではなく、金網の柵に囲まれているだけの屋上に私は寝ていた。


「……そうか、康と一緒に寝てたんだった」


 スマホの時計を見てみると、そこまで時間は経っていない。慣れない状況であまり寝れなかったみたいだ。


「しかし……授業をサボって昼寝をする時が来るとはな」


 しかも鍵を勝手に借りて立入禁止の屋上でと来たものだ。我ながらスリリングな事をしてるな。

 横にいる康を見る。彼はとても安らかな表情で寝ていた。


「凄いな……何処でも寝れるのだな」


 午前中も寝ていたのに何故寝れるのだろうか。もしかして、彼は無尽蔵に寝れるのだろうか。


「…………」


 何となく彼の頭を自分の膝の上に乗せる。

 ……ちょっと幸せ。


『……なにそれ? もしアイツが遊びで応じていたらどうするのよ!』


「……遊ばれてたらどうするか……か」


 この前、保健室でアヤと話していた事を思い出す。康と恋愛勝負をすると伝えた時、彼女はとても驚いていた。


『遊びって……大丈夫だ。康はそんな事をする人ではない』


『なに知ったような事を言ってるのよ。サッキーだって一度会ったっきりじゃん!』


『会っただけじゃない。助けられた』


『一度助けられただけで過信してるとは思わないの!?』


『ああ。私にはそれで充分だ』


『アンタねぇ……!』


 その後も彼女は私を睨んでいたが、不意に溜息を付いた。


『……分かった。好きにすれば良いでしょ。だけど、私は信じられないから試させて貰うよ』


『……ああ』


 それであの公園の出来事だ。アヤのおかげで康は下の名前で私を呼んでくれるようになった。


「康……君は遊び感覚で私といるのか?」


 寝ている康は答えない。答えなくて良い。

 私は彼を信じるだけだ。


「あの時、私を助けてくれた君は……とても格好良く、そして暖かかったぞ」


 この想いが彼の心に届く事を願うだけだ。






「……うん……?」


 眼を開けると絶世の美少女がこちらを見ていた。


「やあ、おはよう」


「……おはよう」


 あれ、僕何で彩月の膝の上で寝てるの? 滅茶苦茶柔らかい感じがする。


「彩月は寝なかったの?」


「寝たがすぐに眼が覚めてしまってな」


「僕をずっと見てたの?」


「寝顔ご馳走さまでした」


 どうやら知らず知らずの内にご馳走していたらしい。まあお弁当ご馳走して貰ったし、良いか。


「う~ん……と、今何時だ?」


 スマホの時計を見ると午後の授業が終わりそうになっていた。


「わー、我ながらよく寝たな」


「そうだな。私も此処まで寝るとは思わなかった」


「……枕が良かったのかもね」


「ほう? 嬉しい事を言ってくれるじゃないか」


 実際、気持ちよく寝れた気がする。


「そろそろHRが始まりそうだし、教室に戻ろうか」


「ああ」


 そう言って学校に入り屋上のドアの鍵をかける。今日は屋上で寝れたし良い日だな。


「康」


「うん?」


「また屋上に行こう。今度はアヤと陽一も一緒に……な」


「……また鍵を盗む気ですかい」


 まあ楽しかったし、また屋上に行くのも良いかな。鍵パクるの大変そうだけど。

 そんな約束を交わした後、教室に戻った。


「……あの、タマチャン」


「よう康。遅かったじゃないか」


「あ、はい。その。僕の机と椅子は……?」


「何だ要るのか? 要らないと思って処分しちまった」


「…………すいませんでした」


 ちゃんと授業に出る約束をして机と椅子を戻して貰いました……。 

そんな事よりメロンパン食べたい。

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