旧2.筆力を手っ取り早く上げたいなら模写すること
本題に入る前に、また前置きの話です。
前話で登場した「最低限度の文章力」をどうすれば比較的容易に身に着けられるか?について話します。
その方法とは模写することです。
例えば、「異世界に飛ばされた少年が、チート能力で強敵を次々に倒す」という話を書きたいとします。
まず考えることは、自分の作品の理想形は何なのか?どこに応募したいのか?作家の誰が好きなのか?です。
作品の理想形は「スレイヤーズ」で、愛読しているだけあって「神坂一」が好きで、富士見ファンタジアに応募したい……
だったら、 「スレイヤーズ」を模写するしかありませんね。
普通にそのまま模写するのもいいと思います。
しかし、ある程度は書ける方なら、オリジナルキャラを一人加えたり、性別を変えたりしてみてください。
そうすると、会話を増やす必要も出てきますし、地の文も変更する必要が出てきます。
そういう事をしている中で、「この文章にはこんな意味があったのか!」と、文章の構造が分かるようになってきます。
小説には、必要のない文章なんて基本的にはないんですね。
もし、「この文章が無くても話が流れていくよね」なんて思うようでしたら、それは不必要な文章ってことかもしれません。
文章には普通、その場面を描き出すのに必要な描写だったり、次の会話に繋げるための地の文だったり、何か意味があるはずですから。
不必要な文章を書くぐらいなら、必要な描写を加えた方がいいです。もしくはテンポを悪くしているかもしれません。
それを、市販小説を改変することで理解できるようになるということなんです。
そして、文章の一つ一つの意味がわかるようになると、今度は自分の作品にも文章の意味が備わるようになります。
また、改変をとおしてプロ作家の「巧い」「下手」もわかるようになります。
わかるようになると、自分の作品にも自信が持てるようになります。
ちなみに、何冊模写・改変すればいいのか?という質問には、わかるようになるまでとお答えしたいと思います。
私はこの歳まで小説を書いてきませんでしたが、模写・改変したのは1冊のしかも途中までです。
(ご存知の方もいるかもしれませんが、私はこちらに投稿した処女作で応募しています)
漠然と模写・改変していても、全く意味がありません。学ぶ意識を持ってしないことには効果はありませんので、その点はご理解下さい。