テイム
短いかもです
“テイム”―――魔物を飼い、使い魔のようにパートナーに出来ること。意志疎通などができ、時間や絆が関係して、なつく度合いも変わる。だが。テイムする魔物が強ければ強いほど術者も同じか、それ以上の強さを持っていなければテイム出来ないという。例えば、テイムする魔物がA級なら術者もA級以上の強さを、というようになる。それ以外にも相性があり、術者がどれだけ強くても相性が悪く、テイム出来ない魔物もいるのだ。ただし、例外も存在する。
それでいうなら、黒いローブの彼はホーリースライムと相性が良く、なおかつホーリースライムより強いという事を示している。だが、例外の可能性も捨てきれない。その為、マルクはもう一度問いかける。
「それとも例外―――そのホーリースライムがあなたになつきすぎているから“テイム”出来たのですか!?」
マルクの言葉からもわかると思うが、“例外”とは術者に魔物が何らかの理由でなつきすぎている為に術者が弱くてもテイムを出来る事だ。ただその確率は千万分の一といったところだろう。
「お前らには関係ない。これ以上、この森にいるのなら実力行使に入らせてもらおう」
返ってきたのは冷たい言葉だった。だが、この森を抜けるのが一番な近道な以上、マルク達も引き下がる訳にはいかなかった。
「悪いのですが、こちらも引き下がる訳にはいかないのです」
マルクがそう告げた瞬間、黒いローブを纏う彼の姿が消える。そして、一瞬のうちにマルクの懐へとその身を潜らせていたのだ。
「――――っ!!」