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蒼狼  作者: 天莉
本編
15/17

エピローグ~その名は蒼狼の断罪者~


『――――お前か?我を救ってくれたのは』

頭に直接響くような声は念話だった。その念話の主はドラゴン・ゾンビ。じっとゼオを凝視している。

「別にお前を救う為にこいつを殺したんじゃない」

『それでも、救ってくれた事に変わりはない。礼を言う』

素っ気ないゼオにドラゴン・ゾンビは頭を下げて、礼を述べた。

「《操術》が解けたんだから、自分の住み処に帰った方がいい。人間は何をするか分からないからな」

まるで自分自身も。回りの人間も嫌っているような言い方に、ドラゴン・ゾンビは目を見張る。

『お主………』

ドラゴン・ゾンビからみて、ゼオがどう見えたのかは分からない。だが、何かを理解し、ドラゴン・ゾンビは頷く。

『我の住み処に帰る前にこれを渡す』

その言葉の後、ゼオの前に黒と紫の光が交わり、何かが目の前に現れる。それは黒と紫が螺旋するように交わった模様の勾玉。浮遊するその勾玉を手に取るゼオ。

『それは我の力を込めた勾玉。力を求めた時、それに向かって念じれば我がその勾玉を通し、力を貸そう。もらってくれ』

「わかった。もらっておく」

ゼオは受け取ったその勾玉を懐にしまった。

『では、またな。少年』

そう言い残し、ドラゴン・ゾンビは飛翔して飛び去った。瞬間、《操術》を使っていた男の死体や撒き散らした血がすぅ、と薄くなり消えていく。

「ありがとな」

ゼオが振り返った先には光に包まれるホーリースライムとクリムゾン・レイヴン、フェンリルの子。ホーリースライムの《浄化》が終わると、この場に男の死体と血はなくなっていた。3体はゼオに近寄る。ゼオは3体の頭を撫でている光景は強い絆に結ばれたパートナーのように写った。

「ゼオ!!」

リーゼが防御壁を解除し、ゼオに駆け寄る。デューク達もその後に続いた。

「いつ見ても、ゼオの風魔術は素晴らしいな。惚れ惚れするぐらいだぞ」

リーゼがゼオを褒め称える中、どこかに隠れていたのだろうか、ぞろぞろと人がゼオ達の元へと集まってくる。

「あなた方が竜を倒して下さったのですか?」

村人の一人がリーゼに尋ねる。

「まぁな。もう大丈夫だろう」

リーゼの言葉に村人達から歓声が上がった。

「リーゼさん。私達どもは何もしておりませんが」

セバスが小声でリーゼに耳打ちする。

「ゼオ一人だったらこいつらは信じないだろう」

「それはまぁ……そうかもしれませんが」

「まぁ、いいじゃねぇか。ゼオもそれでいいみたいだしな」

ゼオ自身が納得しているという事にセバスはしぶしぶ引き下がった。

「――――な、なんでお前が!?」

歓声の中で驚きに満ちた男の声が突然、響き渡る。歓声が止み、皆、声の主へと振り返った。茶髪の20代ぐらいに見える男は皆の目を集めてビクッ、と身体が跳ねたが、その目は一心にゼオへ向けられている。

「ここにいたら何かいかない事でもあるのか?」

「い、いや……」

静かに告げられたゼオの声に男は言葉を濁す。そんな時、ゼオの左目を覆っていた黒い布がはらり、と落ちた。

「!!」

リーゼ以外の皆の目が見開かれる。ゼオの左目は右とは違う、黄金に煌めく金の瞳。普通なら左右の目の色が違う、オッドアイという事で話はつくだろう。だが、その黄金の瞳は人間の瞳孔のように丸ではなく、縦に引き絞られたかのように細長い。まるで、まるでゼオの足元にいるフェンリルの黄金に煌めく瞳のように。

「お、お前、そんな馬鹿な。お前の左目はもうないはずじゃ」

焦りを見せる男の前にリーゼが一瞬にして現れ、男の胸ぐらを掴んだ。

「もうない、だと。教えてもらおうか。お前が言った訳を」

殺意がリーゼから溢れ出す。まるで心臓をわしづかみにされているような殺意に身の危険を感じ、ポツポツて話し出す。

「そいつの左目にナイフが刺さったから。イライラが溜まってて、つい。怖くなって俺達は逃げたしたから、その後は知らない。そいつもどこかにいっちまったから、もう会うことはないと思ってた」

しーん、と場が静まり返る。リーゼは男の胸ぐらを掴んでいた手を離し、ゼオに振り替える。

「どうする?ゼオ」

言葉の対象は男だろう。ゼオはオッドアイの瞳を男に向ける。

「いい」

首を横に振って否、と示す。ほっと息をつく男の耳にゼオの冷たい声が届いた。

「ただし、次に罪を犯せば、お前を殺しに行く。いいな」

気迫のある言葉に男は顔面を蒼白にし、何度も頷く。そんな時、村人の誰かが声をあげた。

「聞いた事がある。世界に3人しかいないSS級ランカーの一人、《蒼狼そうろうの断罪者》は神狼フェンリルの瞳を左目に宿しているって……」

村人の言葉はゼオに酷似していた。

デューク達は勿論、村人達も驚愕し、ゼオを見つめる。

陽が傾き、落ちていく中、ゼオと3体のモンスターの姿は夕陽に照らされる。

徐々に暗くなっていく中でゼオのオッドアイは輝き、その存在感をみせていた。



これにて本編終了しました!!


見てくださった皆様、ありがとうございました。


この話で本編終了ですか、外伝を考えております。


外伝は2つの話。

・ゼオの過去

・ゼオとリーゼの出合い

を考えています。


外伝はいつ投稿するか分かりませんが、絶対に投稿します!!


もしよろしければ、お願い致します。

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