光から見たら、影はどう見てるのだろうか?
雲間からわずかな光がのぞいてるのが、女の肩越しに見えた。
綺麗だ。限られた光というのは特に美しい。
ああ、大丈夫。
女の醜い顔で、見えずらいのは癪だが。
この危機的状況でも今からフォローすりゃ大丈夫でしょう。
「もう、走りすぎだって!私が好きなのは翔太じゃ無いよ?」
「そっか・・・・。」
女はまだ少し納得してないような顔だったが、私が全然そんなことないよ!っていう態度をとったらいいか。
日直の仕事って、黒板消しぐらいかな?
っていうか、翔太君に聞かれてたよね?絶対。あの女そこまで計算済みかもな。あー、ウザ。
ボフボフ黒板消しをたたきながら、考える。
ちょっと考えれば翔太君の異常なまでのタイミングの良さを、疑ってもいいんじゃないか?
自分の話と分かっていて、止めた…?
いや、無いな。あの善人面でそんなこと考えないよね。
私も、人を疑いすぎてる。反省しないと。
「杉野さんウケる!」
は?
振り返ると、翔太君が立ってて意地悪い顔で笑ってた。
「え?」
「杉野さん、黒板消し叩きたくなるのは分かるけどね。それ掃除時間でいいんだよ?」
急にすべらかに話し始めたな、翔太君・・・。
っていうか、またあの女になんか言われるんじゃないの!?これ。
嫌だけど、背に腹は代えられないか・・・・。
「あ、そっか。ごめん。えと、日直の仕事って何するの?」
「黒板、消せばいいんだよ!ほら、数学の授業の時のままだろ?」
「そっか・・・あ、ありがと!」
私のお礼に対して、翔太君は嫌みのない可愛い笑顔で笑って去って行った。
これは、惚れるわ・・・・。
でも、なんで急に流暢にしゃべりだしたんだろう?
イケメンだし、私よりも結構背が高いのよね・・・翔太君。